Jリーグ

J1全クラブ監督通信簿&続投可能性【2025シーズン総括】

写真:Getty Images

2025シーズンJ1リーグも終盤を迎え、残り2節。 優勝争いは現時点で首位の鹿島アントラーズと2位の柏レイソルに絞られた。しかし、天皇杯とルヴァン杯も終了したことで、水面下では各クラブが来シーズンへ向けて動き出している。

ここでは、2025シーズンのJ1全クラブ監督の戦績や手腕を振り返り、続投の可能性も含めて評価していく(記録は全てJ1第36節終了時点)。


鬼木達監督 写真:Getty Images

鹿島アントラーズ:鬼木達監督

評価:★★★★★/続投可能性:90%

2025シーズンから就任した鬼木達監督は、鹿島の黄金時代復活を告げるチームマネジメントで現時点まで好調を維持してきた。前線からのハイプレスとビルドアップが融合し、勝負強さも兼ね備えた好チームに仕立て上げ、就任1年目で今季のJ1リーグを牽引している。

攻撃面ではFWレオ・セアラが現時点でリーグトップの19ゴールを挙げ、FW鈴木優磨も時にはチームメイトに厳しい言葉で𠮟咤激励しながら優勝争いをリードする原動力となった。サポーターの支持は絶大で、選手を上手くローテーションさせながら勝利を積み重ねる采配は「鬼木マジック」とも呼ばれる。

自身3度目のリーグ制覇を達成した暁には、次なる目標はACLE(AFCチャンピオンズリーグエリート)優勝となるだろう。


マチェイ・スコルジャ監督 写真:Getty Images

浦和レッズ:マチェイ・スコルジャ監督

評価:★☆☆☆☆/続投可能性:50%

2023シーズン終了後に一度は退任したものの、後任のヘグモ監督解任により、わずか8か月後に呼び戻されたポーランド人指揮官マチェイ・スコルジャ監督。1次政権時にはACL優勝、J1リーグ4位、ルヴァン杯準優勝と結果を残したが、復帰後は期待外れの結果に終わっている。

2025シーズンは開幕ダッシュに失敗したが、夏場に盛り返し、一時は首位争いにも顔を出したが再び失速。残り2試合の結果次第では2桁順位もあり得る状況だ。リーグ戦途中にクラブW杯に出場するという過密日程にも悩まされたが、それは言い訳にはならず、続投の可能性は低いだろう。

浦和は再び欧州から実績ある監督を招聘するのか、それとも日本人監督にシフトするのか。ビッグクラブの後任人事に注目だ。


リカルド・ロドリゲス監督 写真:Getty Images

柏レイソル:リカルド・ロドリゲス監督

評価:★★★★★/続投可能性:90%

2025シーズンから就任したリカルド・ロドリゲス監督は、柏を劇的に変えた立役者だ。日本で2クラブ(2017-2020/徳島ヴォルティス、2021-2022/浦和レッズ)を指揮した経験を生かし、攻撃的サッカーでリーグを席巻。過去2シーズンは残留争いに巻き込まれるなど低迷していたクラブを蘇らせた。

2025シーズン終盤戦まで優勝争いに食い込み続けた柏。外国籍選手がブラジル人DFジエゴ1人のみという戦力で、開幕前の降格圏予想を覆す快挙を達成し、ルヴァン杯でも準優勝と結果を残した。海外クラブからの破格オファーがない限り、来季続投どころか長期政権も現実的に視野に入るだろう。


松橋力蔵監督 写真:Getty Images

FC東京:松橋力蔵監督

評価:★★★☆☆/続投可能性:80%

新潟での手腕と独特のサッカー哲学が買われ、2025シーズンからFC東京を指揮した松橋力蔵監督。地元の調布市生まれでもありサポーターの期待は大きかったが、一時は残留争いに顔を出すほどの低空飛行。結果、FC東京は中位で平凡なシーズンを送った。

そもそも松橋監督は新潟監督時代、選手のテクニックを最大限に引き出したポゼッションサッカーを志向していたが、FC東京のチームカラーは堅守速攻。松橋監督がFC東京のスタイルに“寄せた”ことで最悪の事態は免れたものの、攻撃面は個人依存が目立ち、FWマルセロ・ヒアンの決定力頼みとなった。試行錯誤をしている間にシーズンが終わってしまった印象だ。

シーズン中から解任論もあったが、一方で我慢して見守ろうという声もあり、支持率は相半ばといったところ。2023シーズン11位でアルベル監督を、2024シーズン7位でクラモフスキー監督を更迭した過去から、3年連続の指揮官交代に踏み切る可能性もゼロとは言い切れない。しかし、尻上がりに調子を上げてきたことと、天皇杯で4強に進出したことで、続投の可能性は高いと見る。


城福浩監督 写真:Getty Images

東京ヴェルディ:城福浩監督

評価:★★★★☆/続投可能性:90%

育成年代の日本代表監督を歴任した後、FC東京(2008-2010、2016)、ヴァンフォーレ甲府(2012-2014)、サンフレッチェ広島(2018-2021)を指揮し、2022年6月に東京ヴェルディの監督に就任した城福浩監督。2023シーズンJ2で3位に入り、昇格プレーオフを勝ち抜いて16年ぶりにJ1復帰に導いた。復帰初年度の2024シーズンは6位。

2025シーズンは2桁順位ながらもJ1残留を確保。特に守備の安定が光り、総得点22という少ない得点数ながらも残留させた手腕は見事と言える。若手育成にも定評があり、サポーターの反応は上々で、続投の可能性は高く、長期政権も視野に入る。課題は得点力の低さであり、来季の補強次第では上位進出も狙えるだろうが、最終的にはフロントの補強方針次第だ。


町田ゼルビア 黒田剛監督 
黒田剛監督 写真:Getty Images

町田ゼルビア:黒田剛監督

評価:★★★★☆/続投可能性:90%

黒田剛監督率いる町田は、J1初挑戦の2024シーズンで3位に入る大健闘を演じ、ACLエリート出場権を獲得した。コンパクトな守備とソリッドな攻撃、そして変幻自在のセットプレーで旋風を巻き起こした。そのサッカースタイルは、従前のJ1リーグでは見られなかったもので、他クラブの一部サポーターからは不興を買ったが、結果で黙らせた。

2025シーズン前には優勝候補にも挙げられていたが、さすがに研究されたのか、4月には3連敗を喫し、2桁順位にまで後退。中盤戦からは8連勝し、優勝争いに名乗りを挙げたが、最終的には届かずだった。しかし、天皇杯でクラブ初のタイトルをもたらし、これにより2026/27シーズンのACL2出場権も確保した。その手腕を証明し、オーナーの藤田晋社長からの信頼も厚いことから、契約延長は既定路線だろう。

ACLエリート2025/26も戦っていることで、オフらしいオフがないまま来季開幕を迎えることになるが、補強次第ではリーグ制覇も十分に見えてくるだろう。

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名前:寺島武志

趣味:サッカー観戦(Jリーグ、欧州5大リーグ、欧州CL・EL)、映画鑑賞、ドラマ考察、野球観戦(巨人ファン、高校野球、東京六大学野球)、サッカー観戦を伴う旅行、スポーツバー巡り、競馬
好きなチーム:Jリーグでは清水エスパルス、福島ユナイテッドFC、欧州では「銀河系軍団(ロス・ガラクティコス)」と呼ばれた2000-06頃のレアルマドリード、当時37歳のカルロ・アンチェロッティを新監督に迎え、エンリコ・キエーザ、エルナン・クレスポ、リリアン・テュラム、ジャンフランコ・ゾラ、ファビオ・カンナヴァーロ、ジャンルイジ・ブッフォンらを擁した1996-97のパルマ

新卒で、UFO・宇宙人・ネッシー・カッパが1面を飾る某スポーツ新聞社に入社し、約24年在籍。その間、池袋コミュニティ・カレッジ主催の「後藤健生のサッカーライター養成講座」を受講。独立後は、映画・ドラマのレビューサイトなど、数社で執筆。
1993年のクラブ創設時からの清水エスパルスサポーター。1995年2月、サンプドリアvsユベントスを生観戦し、欧州サッカーにもハマる。以降、毎年渡欧し、訪れたスタジアムは50以上。ワールドカップは1998年フランス大会、2002年日韓大会、2018年ロシア大会、2022年カタール大会を現地観戦。2018年、2022年は日本代表のラウンド16敗退を見届け、未だ日本代表がワールドカップで勝った試合をこの目で見たこと無し。
“サッカーは究極のエンタメ”を信条に、清濁併せ吞む気概も持ちつつ、読者の皆様の関心に応える記事をお届けしていきたいと考えております。

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