Jリーグ

Jリーグ昇格プレーオフ・入れ替え戦で生まれた劇的ドラマ4選

カマタマーレ讃岐のサポーター 写真:Getty Images

ガイナーレ鳥取vsカマタマーレ讃岐(2013年)

昇格のドラマは、J1だけに限らない。Jリーグ参入を目指すクラブにも壮絶な物語が存在する。2013年、カマタマーレ讃岐がJ2昇格を勝ち取った入れ替え戦は、その象徴と言える。

JFL(日本フットボールリーグ)2位で入れ替え戦に進んだ讃岐の相手は、J2最下位のガイナーレ鳥取。2戦合計スコアで争う中、第2戦で讃岐は20分にFW高橋泰がゴールしリードを奪う。しかし後半、DF藤田浩平が2枚目のイエローカードで退場処分となり、10人での戦いを余儀なくされた。昇格のプレッシャー、アウェイという環境、数的不利。これらを背負いながら、讃岐の選手たちは必死にゴールを守り続けた。

鳥取は数的有利を活かして攻勢を強めたが、讃岐は粘り強く守り抜き、最後までゴールを許さなかった。 結果、1-0で勝利した10人の讃岐がJ2昇格を決定。 この勝利は、地域クラブがJリーグを目指す上での困難を乗り越える力を示す象徴的な一戦であり、讃岐にとって歴史的な瞬間となった。

昇格プレーオフや入れ替え戦は、戦力差だけでは語れない。地域クラブが夢を掴む瞬間があり、J1とはまた違う壮絶な物語がある。讃岐の昇格は、それを象徴する試合だった。


京都サンガ 写真:Getty Images

京都サンガvsロアッソ熊本(2022年)

2022年のJ1参入プレーオフは、昇格を狙うJ2ロアッソ熊本とJ1残留を目指す京都サンガの対決となった。京都は引き分け以上で勝ち抜け。一方、勝たなければ昇格できない熊本は、序盤から積極的に仕掛けて主導権を握った。

しかし、熊本は決定機を活かせずに時間が過ぎる。すると京都はわずかなチャンスを逃さず、FW豊川雄太が先制点を奪う。後半に入り、熊本は攻撃の圧力をさらに強め、DFイヨハ理ヘンリーのゴールで同点に追いついたものの逆転までは至らず、試合は1-1のまま終了した。この結果、京都はJ1残留を掴み、熊本はあと一歩のところで昇格を逃した。

熊本の攻撃力と京都の執念、両者の思いがぶつかり合った90分。敗れればJ2降格という状況の中で耐え抜いた京都にとって、この試合は“残留の重み”を強く印象づける一戦となった。


様々なドラマが生まれる舞台

4つの試合を振り返ると、舞台も状況もクラブの立場もそれぞれ異なる。しかし共通しているのは、昇格プレーオフや入れ替え戦には、予想を超えるドラマが生まれるということだ。

勝てば昇格、負ければ残留、引き分けでも明暗が分かれる。そんな極限の条件下では、通常では見られない判断やプレー、想像を超える心理状態が結果を左右する。

昇格と降格をめぐる戦いはリーグ戦の延長ではなく、クラブの未来と覚悟が問われる最終決戦である。 だからこそ、そこで起きるゴールや失点、判定のひとつひとつが、後に語り継がれる印象的なシーンとなる。昇格プレーオフは、今年も新たなドラマを生むはずだ。その瞬間を共有できることこそ、サッカー観戦の醍醐味だろう。

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名前:Nao
趣味:サッカー観戦、お酒、子供が所属するサッカークラブの応援
2023年からライターとしての活動を始めました。プライベートでは3人の男児の父親、個人ブログ「FootballAnalysis」を運営しています。サッカーがある日常、特に試合がある日の街の風景やスタジアム周辺の雰囲気が大好きです。多くの人にサッカーの楽しさを知って頂ける記事を書いていきたいと思います。よろしくお願いします!

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