
11月16日、フクダ電子アリーナ(千葉県)で第104回全国高校サッカー選手権大会・千葉県大会の決勝が行われ、2年連続9回目の出場を目指す流通経済大学付属柏高校(以下、流経大柏)と、初の全国大会出場を狙う専修大学松戸高校(以下、松戸)が激突した。
試合は序盤から流経大柏ペースで進んだが、松戸の集中した守備が光り、前半をスコアレスで折り返した。後半、流経大柏は流れを変えるべく3枚替えを敢行。投入されたFW金子琉久が突破やシュートなどで攻撃を活性化し、流経大柏ペースで試合が進む。
均衡が破れたのは66分。左サイドのセンタリングから2年生のFW渡辺瞳也が合わせ、流経大柏が先制した。しかし、試合終了間際の88分、松戸のMF鬼頭航大がPKを沈めて同点に追いつき、試合は延長戦へ突入。
迎えた延長84分、流経大柏はFW山元琉士がペナルティエリア内から放ったミドルシュートで勝ち越しに成功。その後は主導権を渡さず1点を守り切り千葉の頂点に立った。試合後、優勝した流経大柏の榎本雅大監督と準優勝の松戸・野村太祐監督に話を訊いた。

松戸・野村監督「感謝しかない」
ー今日の試合を振り返っていかがでしたか?
野村監督:流経大柏が相手だからとか、決勝だからといっていつもと違うことはしませんでした。(選手たちは)いつもやっていることをしっかり出し切れたと思います。勝負ですから仕留めるところをしっかり仕留められたら良かったと思いますが、よくやったと選手たちを誉めました。ただウチは勝ち負けに価値を置いてきたわけではないので、選手たちの成長が一番だと思っています。今大会も1試合1試合成長していったことが素晴らしかったです。
ー流経大柏に対してどのような準備をしましたか?
野村監督:我々はボールを持っていても持っていなくても、攻撃的にやっていくことを大事にしています。攻守においてもすべてが攻撃的にいこうと伝えてやってきました。流経大柏だからといってそこは変わりません。ただ、流経大柏さんは見ての通り1対1が強かったですし、ボールを奪えそうなところで奪えなかったり、セカンドボールを拾われたり、そういったところはさすがだなと思いました。流経大柏さんに対しての特別な対策はしていません。
ー守備について振り返っていただけますか?
野村監督:守備の面では、ボールを持たれていてもマイナスなことは全く思っていません。それが「いかにボールを奪うか」というサッカーに繋がっています。センターバック2枚が最後まで守ってくれたので、そこはよくやってくれたと思います。
ーハーフタイムで選手たちにどのような声掛けをされましたか?
野村監督:僕は監督だけど戦術的なことはほとんど言いません。ハーフタイムでは弱気にならないような声掛けをしています。「十分勝負できているし、コントロールできている。あとはゴールにもっと積極的に向かってチャンスを作ろう」と言いました。
ー決勝を戦ってみて、心境はいかがですか?
野村監督:感謝しかないですね。相手の流経大柏さんや保護者、OB、学校関係者の方々が応援をしてくれて、幸せな時間でした。
ー試合後の選手にどのような声を掛けましたか?
野村監督:決して悲観するようなゲームではなかったですし、学校史上初めて決勝の舞台で戦うことが出来ました。彼らがちゃんと歴史を作ってくれているので、またそのバトンが受け継がれていくことで良い結果が出ると思っています。「よくやったよ」と声を掛けました。
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