
2026年のゴールデンウィークに、ロックフェス「VIVA LA ROCK 2026」(以下ビバラ)が埼玉スタジアム2002周辺の野外特設会場で開催されることが決まった。これまでサッカー専用として知られてきた“浦和レッズの聖地”で音楽イベントが行われることは、サッカーファンの間で大きな波紋を呼んでいる。
埼玉スタジアムの指定管理者が、浦和レッズから公益財団法人埼玉県公園緑地協会に変更されたことを背景に、サッカー以外の多目的利用が柔軟化した可能性も指摘される。野外フェス開催は、スタジアムの複合アリーナ化に向けた“序章”となるのか。ファンの反応や関係者の意図を整理しながら、今後の動向を考察する。

ビバラ2026の開催概要と特徴
ビバラはこれまで、さいたまスーパーアリーナを主会場に、毎年ゴールデンウィークに開催され、過去12回(オンライン1回含む)を数える。国内外のアーティストが多数出演し、野外ステージならではの演出や大規模ビジョンによるライブ映像投影が特徴だ。2025年には5月3日~6日の4日間で実施され、延べ約10万5,000人の来場者を記録したとされる(主催者発表)。
次回2026年は、スタジアム本体ではなく周辺の野外特設会場での開催が決まった。日程は2026年5月2日~6日のうち4日間で、野外ならではの開放感や大型ステージ演出を特徴とする予定だ。
ビバラ2026は、株式会社ディスクガレージが主催しており、プロデューサーを務める有泉智子氏は公式に「浦和レッズおよび埼玉スタジアムとタッグを組んで」と複数回発言している。公式発表では観客スタンドやピッチを含むスタジアム本体の使用には触れていないが、周辺施設の利用がサッカー以外にも開かれる柔軟な運用への布石と見る向きもある。周辺の北側駐車場や調整池などは、過去にもイベントで活用された実績があり、周辺特設会場での実施は現実的な選択といえる。

指定管理者変更と多目的化の動き
埼玉スタジアムの指定管理者は、2025年3月31日まで浦和レッズも参加していた「埼玉スタジアム2002公園マネジメントネットワーク」が担当していた。4月1日以降は、公益財団法人埼玉県公園緑地協会が単独で管理を引き継いだ。背景には、県が公募の結果、緑地協会の管理体制を公園全体の利活用に適すると判断したことがある。
浦和の管理下では、スタジアムの運用はほぼサッカー専用で、コンサートやラグビー・アメフトなど他の球技の使用は制限されていた。年に1度、埼玉県民の日の特別イベントやスタジアムウェディングでピッチが開放されることがある程度だったとされる。
管理者変更後、緑地協会は多目的利用の方針を示しており、11月23日には「さいたまマラソンin埼スタ」が開催されるなど、施設の稼働率向上が試みられている。今回の野外フェス開催は、こうした方針を反映した動きと見ることもできる。
ファンの反応と懸念
発表直後、浦和のサポーターからは反発の声が相次いだ。コミュニティ掲示板「浦議」やSNSでは、芝生への影響やスタジアムの雰囲気の変化への懸念が多く見られた。「試合前後の混雑が心配」「ピッチコンディションは損なわれるかもしれない」といった具体的な書き込みもあり、有泉プロデューサーの発言はこうした懸念を和らげる狙いがあったとみられる。
サッカーファンにとって埼玉スタジアムは“聖地”であり、音楽イベントを含む他用途の増加は慎重な議論が必要だ。浦和の公式コメントは現時点で出ていないが、今後の開催状況がサッカーファンの信頼を左右することになる。
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