リーグ・アン パリ・サンジェルマン

世界サッカーにおける「才能の都パリ」の競争と課題とは?

パリ・サンジェルマン 写真:Getty Images

 パリは長年、世界屈指のサッカー人材の供給地として名を馳せてきた。多文化社会と膨大な人口を背景に、数多くの名選手を輩出し、フランス代表と欧州主要リーグの両方を支えてきた。

 しかし、その豊富な人材に比べて、都市全体のクラブ構造は十分に発展していない。ハンガリーメディア『Football Benchmark』によると、首都圏で生まれ育った才能が多い一方で、地元クラブがパリ出身の選手たちを長期的に活用する仕組みは未整備のままである。

 同メディアによると、世界で最も価値の高い選手100人のうち14人がフランス出身で、そのうち約44%がパリ圏で生まれている。さらに、2022FIFAワールドカップでは、パリ出身の選手が30人に達し、ロンドンとサンパウロの合計を上回った。この結果は、パリが世界有数の選手供給地として際立った存在であることを示している。

 一方で、フランスでは、リーグ・アンのパリ・サンジェルマン(PSG)が都市のサッカー的アイデンティティを独占し、他クラブが育成力を競技力に転換する機会は限られてきた。育成年代で頭角を現した選手の多くは16〜18歳で他地域や海外へ移籍しており、地域内で生まれた価値が流出している。

 2025年には、パリFCがリーグ・アンに昇格を果たしたが、2024年11月にフランス・パリに本社を置く世界最大の高級ブランドグループLVMHを率いるベルナール・アルノー氏の一族、アルノー家とレッドブルが出資を行ったことが転機となった。

 しかし、PSG以外のクラブは観客動員や商業面で発展途上にあり、才能の集積に対して受け皿の層が薄い。育成からトップレベルへの道筋を整え、複数クラブが競い合える環境を築くことが、パリの持続的な成長に欠かせない。