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集音マイクに拾われてしまったサッカー試合中の“迷言”4選

南野拓実 写真:Getty Images

南野拓実「うっさいんじゃボケ!」

今や日本代表の背番号10を背負うASモナコのMF南野拓実だが、セレッソ大阪に在籍していた十代の頃は、甘いマスクとは裏腹に“尖りまくった”選手だった。

その性格が表れたのが、2014年11月22日のJ1第32節セレッソ大阪対ベガルタ仙台戦(ユアテックスタジアム仙台/3-3)。先発フル出場した南野がシュートを外した際、後半35分から投入された元ドイツ代表FWカカウから、パスを出すべきだと不満を示すジェスチャーがあった。

これに対し、当時19歳の南野は激高し、14歳年上のカカウに向かって中継映像に乗った形で再現される声として「うっさいんじゃボケ!」と言い放った。このシーンはYouTubeやSNSでも拡散され、話題となった。

後日、TOKYO FMのトーク番組で元日本代表DFで主将だった吉田麻也(現ロサンゼルス・ギャラクシー)が、「Jリーグは口が悪い選手が多い」という話の流れで、この件をイジりつつ、南野に向けて「拓実、ああいうの気を付けないとね。みんな見てるから気を付けて」と呼びかけたことも伝えられている。

さらに、C大阪からスイスのバーゼルに移籍することが決まった元日本代表MF柿谷曜一朗(2024年引退)のC大阪最終戦となる川崎フロンターレ戦(キンチョウスタジアム/1-2)では、後半33分に南野は一発レッドで退場。試合後、柿谷は自身の後継者に南野を指名する一方で、「こんな大事な時に退場するアホもいますけど…」とジョーク混じりの皮肉を伝えた。

また、2014年のFIFAワールドカップ(ブラジル大会)後に退任したアルベルト・ザッケローニ監督の後を継いだハビエル・アギーレ監督(現メキシコ代表監督)が代表選考時に、南野の気性の荒さを懸念材料の一つとして挙げたと一部報道で伝えられる。結果として、アギーレ政権下では代表招集されず、初招集はヴァイッド・ハリルホジッチ政権時の2015年10月となった。

2025年1月に30歳を迎え、すっかり丸くなった南野だが、熱さは長所にもなり得る。今の日本代表に足りない部分でもあるため、チームの輪を乱さない程度にイレブンに“闘魂注入”してもらいたいものだ。


ウェイン・ルーニー 写真:Getty Images

ウェイン・ルーニーのFワード

イングランドフットボール史上、指折りのお騒がせ男だった元イングランド代表FWウェイン・ルーニー(2021年引退)。マンチェスター・ユナイテッド所属時(2004-2017)の2011年4月2日に行なわれたウェストハム・ユナイテッド戦(アップトンパーク/2-4)で、逆転ゴールを含むハットトリックを達成した際、興奮のあまりテレビカメラに向かって放送禁止用語(Fワード)を叫んでしまい、そのまま世界中に放送された。

FA(イングランドサッカー協会)はこの行為に対し、ルーニーに2試合の出場停止処分を科した。

当時チェルシーを率いていたカルロ・アンチェロッティ監督(現ブラジル代表監督)は、『Guardian』紙の取材に「イタリアではもっとひどいことが起きても何も起こらない。しかしイングランドでは2試合の出場停止だ。驚いた」とコメントし、サッカーの母国における規律の厳しさを語った。

ルーニーはその後もピッチ外で話題を振りまき、2017年9月には飲酒運転で逮捕、さらに2019年1月には米国で公共の場で泥酔していたとして一時拘束された(出典:CNNなど)。


これらの事例は、ファンにとって選手の素顔や臨場感を知る機会となる一方で、選手にとっては意図せぬ形で発言が拡散されるリスクも示している。ピッチ上の音声がより鮮明に伝わる今、選手たちも「マイクは常にオンになっている」意識を持つ必要があるのかもしれない。

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名前:寺島武志

趣味:サッカー観戦(Jリーグ、欧州5大リーグ、欧州CL・EL)、映画鑑賞、ドラマ考察、野球観戦(巨人ファン、高校野球、東京六大学野球)、サッカー観戦を伴う旅行、スポーツバー巡り、競馬
好きなチーム:Jリーグでは清水エスパルス、福島ユナイテッドFC、欧州では「銀河系軍団(ロス・ガラクティコス)」と呼ばれた2000-06頃のレアルマドリード、当時37歳のカルロ・アンチェロッティを新監督に迎え、エンリコ・キエーザ、エルナン・クレスポ、リリアン・テュラム、ジャンフランコ・ゾラ、ファビオ・カンナヴァーロ、ジャンルイジ・ブッフォンらを擁した1996-97のパルマ

新卒で、UFO・宇宙人・ネッシー・カッパが1面を飾る某スポーツ新聞社に入社し、約24年在籍。その間、池袋コミュニティ・カレッジ主催の「後藤健生のサッカーライター養成講座」を受講。独立後は、映画・ドラマのレビューサイトなど、数社で執筆。
1993年のクラブ創設時からの清水エスパルスサポーター。1995年2月、サンプドリアvsユベントスを生観戦し、欧州サッカーにもハマる。以降、毎年渡欧し、訪れたスタジアムは50以上。ワールドカップは1998年フランス大会、2002年日韓大会、2018年ロシア大会、2022年カタール大会を現地観戦。2018年、2022年は日本代表のラウンド16敗退を見届け、未だ日本代表がワールドカップで勝った試合をこの目で見たこと無し。
“サッカーは究極のエンタメ”を信条に、清濁併せ吞む気概も持ちつつ、読者の皆様の関心に応える記事をお届けしていきたいと考えております。

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