
久保山由清(49歳)2022年JFA Proライセンス取得
横浜フリューゲルス最後の試合(1999年1月1日天皇杯決勝/国立競技場2-1)で清水エスパルス相手に得点を挙げ、優勝に貢献した久保山由清氏。当然ながら合併相手の横浜F・マリノスからのオファーもあったが、奇しくも清水からもオファーを受け、出身の静岡に戻ることを決意。1999シーズンのセカンドステージでクラブ初のステージ優勝に導き、同年のJリーグアウォーズ優秀選手賞を受賞した。
現役引退後は、2008年から長きにわたり清水の育成組織で指導にあたり、U-13からジュニアユースの監督などを歴任。多くの才能を発掘し、トップレベルで活躍する選手を育て上げ、確固たる地位を築いてきた。
彼の指導者としてのキャリアは、まさに育成のスペシャリストそのものだ。2016年からはトップチームのコーチも務め、育成とトップの両方のカテゴリーを熟知している。2023年には清水から派遣される形で関東リーグ2部の厚木はやぶさFCの監督を務め、2024年からはJ3・FC今治のヘッドコーチに就任するなど、常に指導の最前線に身を置いている。
2022年にProライセンスを取得した久保山氏は、Jクラブの監督として、特に若手選手の育成とチームの底上げにおいて大きな力を発揮するだろう。派手さよりも育成重視の堅実な指導スタイルで、一人ひとりの選手と真摯に向き合い、ポテンシャルを最大限に引き出すチーム作りが期待される。若手主体のチームや、クラブの将来を見据えた基盤作りを目指すクラブにとって、非常に魅力的な監督候補と言える。

菅原大介(47歳)2022年JFA Proライセンス取得
菅原大介氏の名前を聞いて「誰?」と思う人もいるだろうが、それも致し方無い。プロ選手としてのキャリアはないためだ。
2001年に東海大学を卒業すると、同年4月から筑波大学大学院でコーチ学を学ぶと同時に同大サッカー部のコーチに就任。2003年、大学院を卒業したタイミングで女子日本代表とU-19女子日本代表のテクニカルスタッフに加わるという異色の経歴を辿っている。
その後、年代別日本代表のテクニカルスタッフを歴任。千葉や大分トリニータ、栃木SCでコーチやヘッドコーチを務めるなど、その指導者としてのキャリアは目を見張るものがある。
2022年にProライセンスを取得すると、JFAに請われセットプレーコーチに就任し、2023年からはU-18(現U-20)日本代表コーチも兼任している。菅原氏とJFAとの契約期間は公表されていないが、現時点ではJクラブでの指揮は行っていない。
プロ選手経験のない監督がJクラブを率いるケースは前例がないわけではないが、大学院時代からコーチ学を学んだ菅原氏が監督となれば、データ分析と戦術を融合させた、近代的なサッカーを披露するのではという期待もある。豊富な経験と指導哲学は、どのカテゴリーのクラブにとっても大きな武器となるはずだ。Jリーグに新たな潮流を生み出す可能性を秘めた注目の指導者である。
現在、J1クラブ監督の平均年齢は52.05歳と“高齢化”の状態にある。これはイングランドのプレミアリーグ(47.85歳)、ドイツのブンデスリーガ(46.67歳)と比較しても高い。Jリーグ全体を見渡しても、最年少はJ3相模原のシュタルフ悠紀リヒャルト監督の41歳だ。
28歳にして、ブンデスリーガのホッフェンハイムの指揮官に抜擢されたユリアン・ナーゲルスマン監督(現ドイツ代表監督)の例は特別だとしても、日本代表MF三笘薫が所属するブライトン・アンド・ホーブ・アルビオンのファビアン・ヒュルツェラー監督は就任時に31歳で、プレミアリーグ史上最年少記録だった。
日本では2021シーズン、当時JFLの奈良クラブの監督にフリアン・マリン・バサロ監督が31歳で就任し、2022シーズンにJFL優勝と2023シーズンからのJ3昇格を達成。2023シーズンのJ3開幕戦を33歳8か月20日で指揮を執り、シュタルフ監督(当時AC長野パルセイロ)の記録を塗り替え、Jリーグ史上最年少監督となった。日本人指導者もJリーグに新たな風を吹き込むことが期待される。
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