
FC東京は8月10日、明治安田J1リーグ第25節の鹿島アントラーズ戦当日に調布市との包括連携協定を締結。味の素スタジアム近辺に新たな練習拠点を整備する計画が発表された。同クラブの練習環境を巡っては、2024シーズン終了後にFC東京から鹿島へ復帰したパリ五輪U23日本代表MF荒木遼太郎が否定的なコメントを残していたが、今回の移転計画により問題が解消される見込みだ。
荒木は2025年2月末に『リクシルスポーツ』の公式YouTubeチャンネルで公開されたトーク企画で、FC東京と鹿島の環境の違いを説明。「(小平グランドは)FC東京が持っているクラブハウスじゃなくて、東京ガスのものだから、知らない人が風呂に入ってくる。(そばに)テニスコートがあるから、テニスをしていた人が(風呂に入ってくる)」と戦術面をはじめクラブ内部の情報をチームメイト等と容易に共有することができない環境を明かしたほか、こう語っていた。
「鹿島は(クラブハウスや練習場など)全部集まっている。スタジアムも近いし、怪我してクリニックに行くのも近い。でもあっち(FC東京)は結構遠かった。試合前は30分以上かけて、(味の素スタジアムまで)クラブハウスからバスで行っていた。その辺りはちょっとしんどかった。渋滞あるし。(FC東京時代は)45~50分くらいかけて練習に行っていた。すごく遠かった。(自宅から練習場まで)距離自体はそんなにないけど…」
FC東京の発表によると、調布市との包括連携協定には、調布基地跡地留保地(調布市西町、味の素スタジアムの南東に近接する国有地)を活用した、新たな練習場拠点整備に関する項目も含まれているとのこと。2028年度第1四半期の供用開始を目指しているという。
この新たな練習場拠点がFC東京の所有物となれば、荒木が指摘していた内容の一部である「クラブハウスにおける第三者との空間共有」というデメリットは無くなる。ただ一方で、味の素スタジアム近辺への移転でも、選手の自宅から練習場までの移動時間、渋滞の発生率という観点では、鹿島ほどの恩恵はないかもしれない。
なお、FC東京を運営する東京フットボールクラブ株式会社の川岸滋也代表取締役社長は、調布市との包括連携協定締結を受けて「調布基地跡地留保地の活用は、FC東京にとって大きな挑戦であると同時に、地域社会に開かれた新しいスポーツのかたちを創造する機会でもあります」などと、新たな練習場拠点に言及している。
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