
8月4日時点で24試合を消化している2025明治安田J2リーグ。1年でのJ1復帰を目指すサガン鳥栖は現在7位(勝ち点39、得失点差+3)で、2位でJ1自動昇格圏のジェフユナイテッド千葉(勝ち点42、得失点差+12)との勝ち点差は3ポイントとなっている。リーグ全体で見ると、2位から7位までの6チームが勝ち点差6ポイントで混戦を極めており、J1昇格争いは最終節までもつれ込むことが予想される。
熾烈な争いを制しJ1昇格を果たすため、鳥栖が克服しなければいけない課題が「得点力向上」である。第24節終了時点の順位表を見ると、鳥栖の総失点数「22」はJ2全体で5番目に少ない一方で、総得点数「24」は14番目と、得点力不足が明白だ。
鳥栖のチームトップスコアラーであるFW山田寛人の記録は、現時点で4ゴールとJ1昇格を争うチームのストライカーとしては物足りない数字となっており、FWの補強が急務となっている。ここでは、J1復帰を目指す鳥栖の補強候補4選手を紹介していく。

染野唯月(東京ヴェルディ)
尚志高校(福島県)2年時、ボックス内での秀逸な動きや決定力を武器に全国高校サッカー選手権大会で得点王となるなど一世を風靡したFW染野唯月。卒業後は名門・鹿島アントラーズに加入したが、スタメンに定着出来ずに歯がゆい思いを経験している。2022シーズン途中に当時J2の東京ヴェルディ(以下、東京V)へ期限付き移籍を果たすと、3試合連続ゴールをマークするなど、このシーズンでは16試合4ゴールと希望を見出した。
翌2023シーズンは鹿島へ復帰したが、ここでも定位置を掴むことが出来ず、シーズン途中に再び東京Vへ期限付き移籍し、18試合出場6ゴールをマークしたほか、清水エスパルスとのJ1昇格プレーオフ決勝戦では、PKを成功させてチームのJ1昇格に貢献した。2024シーズンはJ1リーグで36試合出場6ゴールとチームのJ1残留に尽力し、2025シーズンからは完全移籍で東京Vに加入している。
しかし、今シーズンはベンチを温める試合が多く、ここまで23試合出場2ゴールと結果が振るわない。さらに東京Vは8月1日に水戸ホーリーホックのFW寺沼星文を完全移籍で獲得しており、染野の更なる序列低下が予想される。J2でも実績がある染野に鳥栖がオファーする可能性はありそうだ。

ブラウンノア賢信(ファジアーノ岡山)
2019シーズンに横浜F・マリノスでプロキャリアをスタートさせたMFブラウンノア賢信。アメリカ人の父と日本人の母を持つカナダ出身の24歳だ。横浜FMのほか、カマタマーレ讃岐、水戸ホーリーホック、アスルクラロ沼津、徳島ヴォルティスでの経験を経て、今シーズンからファジアーノ岡山に完全移籍している。
189cm、79kgの恵まれた体格を活かしたポストプレーやハードワークを武器に攻守両面においてチームに貢献。2023シーズンに所属していた沼津では、ストライカーとして37試合出場13ゴール7アシストと元ストライカーの中山雅史監督の下で得点能力を磨き上げた。2024シーズンに完全移籍した徳島では、トップ下やセンターフォワード(CF)での起用となったが、どのポジションもそつなくこなし、34試合出場7ゴール4アシストと大車輪の活躍を見せた。
岡山で迎えた今シーズンは、J1リーグで11試合に出場するもここまで無得点。総出場時間はわずか「124分」と初のJ1で苦しんでいる。トップやトップ下、サイドハーフ(SH)もこなすユーティリティ性も備えており、鳥栖が獲得を狙っていてもおかしくない。
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