
昨2024シーズン、川崎フロンターレDF高井幸大が受賞したJリーグベストヤングプレーヤー賞。その系譜は、柏レイソルFW細谷真大(2022年)、グラスホッパーDF瀬古歩夢(前セレッソ大阪/2020年)、リーズ・ユナイテッドMF田中碧(前川崎F/2019年)など、多くの日本代表選手を生んでいる。高井も既に国際Aマッチデビューを果たした。
今2025シーズンもJ1リーグが中盤戦に差し掛かる中、加入初年度ながらレギュラーポジションを奪取し活躍する選手も出てきた。多くは即戦力として期待されていた大卒選手で、2010シーズンの規約改定で大卒選手は受賞対象外となったが(当該シーズンの12月31日現在で満21歳以下かつリーグ戦19試合以上であること)、この条件に合致する若きプレーヤーもチャンスをモノにし、頭角を現しつつある。
ここでは一足早いが、今2025シーズンのベストヤングプレーヤー賞候補を5選手挙げていきたい。

MF北原槙(FC東京U-18)
今年3月1日、J1最年少となる15歳7か月22日でデビューを果たし注目を浴びたFC東京U-18MF北原槙(当時の所属はジュニアユースの「FC東京U-15むさし」)。J1第4節FC東京対鹿島アントラーズ戦(県立カシマサッカースタジアム)の後半38分から出場し、2004年に15歳10か月6日でJ1デビューしたFW森本貴幸(当時東京ヴェルディ/2024年引退)の記録を塗り替えた。
“2階級飛び級”によるデビューが示すように、今季から指揮を執る松橋力蔵監督からの期待も高く、第11節セレッソ大阪戦から第13節清水エスパルス戦までは先発出場。同監督が目指すパスサッカーへの転換を進める上で、必要な戦力となっている。対戦した清水MF乾貴士も、その堂々としたプレーぶりに称賛を惜しまなかった。
しかしながら、肝心のチームは降格圏から勝ち点2の16位に沈んでおり、北原自身もフル出場の経験がなく、未だノーゴールだ。ルヴァン杯2回戦のRB大宮アルディージャ戦(NACK5スタジアム大宮/3-1)では延長後半7分までプレーし、シャドーの位置で攻撃では相手DFの股下を通すスルーパスや、強烈な左ミドルシュートを披露。守備でも果敢に体を張った。
まだプロとしてのキャリアをスタートしたばかりだが、ピッチに立てば年齢など関係ない。まずは練習からアピールし出場時間を増やした上で、得点やアシストなど目に見える結果を残し、チームの成績に貢献する働きが求められるだろう。
一見すると線の細さが目立つがタックル成功率は100%。パスセンスやフリーになりボールを受ける空間認識力には目を見張るものがある。その才能と成長速度を考慮すると、FC東京で初となるベストヤングプレーヤー賞を獲得する可能性は十分にあるだろう。

MF中島洋太朗(サンフレッチェ広島)
サンフレッチェ広島MF中島洋太朗は、ユース所属の2023年にクラブ史上最年少の17歳でプロ契約を結んだ。昨2024シーズン公式戦17試合に出場し早くもその才能の片鱗を見せ、U-20日本代表の中心選手でもある。視野の広さと両足での高精度なパスが特徴で、攻守両面でチームに貢献できる選手だ。
今2025シーズンから正式にトップ昇格すると、2月の富士フィルムスーパーカップ・ヴィッセル神戸戦(国立競技場/2-0)ではフル出場を果たし、攻守にわたる活躍でチームの勝利に貢献した。2024年10月にはJ1での出場時間が450分を超え、既にプロA契約を締結を済ませている。同僚のドイツ人MFトルガイ・アルスランは「彼はすぐに海外に行くだろう」と評価し、その才能を絶賛している。
5月2日のJ1第8節鹿島アントラーズ戦(エディオンピースウイング広島/1-0)で、後半25分にフランス人FWヴァレール・ジェルマンとの交代で入ったものの、出場から5分で左ヒザ外側半月板を損傷しオーストリアの病院で手術を受けた中島。しかし既にリハビリも大詰めを迎え、夏頃の復帰を目指しているという。プラン通りに回復すれば、9月27日開幕のFIFA U-20W杯にも間に合う可能性も出てくる。
広島からは2000年にMF森崎和幸(2018年引退)、2015年にFW浅野拓磨(マジョルカ)がベストヤングプレーヤー賞に選ばれている。森崎は広島のバンディエラとしてチームの顔となり、浅野は欧州移籍を果たした上、日本代表としてもW杯カタール大会でドイツ代表を破る貴重なゴールを決めた。
もちろん負傷明けとあって、広島も中島をいきなり酷使することはないだろうが、優勝も狙える位置とあって、終盤戦は彼の力が間違いなく必要となるはずだ。
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