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サッカー選手の5大ソックス派閥。あなたの好みはどのタイプ?【最新版】

写真:Getty Images

普段のファッションや着こなしが注目されるサッカー選手だが、試合中は皆、同じユニフォームを着用している。そう思っていないだろうか。実は同じソックス(ストッキング)でも選手によって履き方がかなり異なり、その理由やこだわりが表れている。

たかが足元と軽んじてはいけない。「フットボール(蹴球)」というように、サッカー選手のプレーの大半は足から生まれる。サッカーの足回り事情を知ることで、各選手の習性をより深く理解できて試合がさらに面白くなる。ここではサッカー選手の5大ソックス派閥(正統履き派、ロング履き派、ルーズ履き派、穴あき履き派、二重履き派)とスタイルについて詳しく解説してみたい。


サッカーソックス 写真:Getty Images

サッカーソックスの規則はどうなっている?

競技規則では「相応に保護することができる大きさのすね当てを着用し、ソックスで覆われていなければならない」と規定されている。したがって、ソックスはある程度の長さを要する。

競技のしやすさを考えると、ただ長ければよいというわけではない。女子高生のルーズソックスでは、すね当てがブレたり相手の靴が引っかかったりしてプレーに支障をきたす。脚にフィットする伸縮性があり、すね当てがグラつかないように程よく引き締まっている必要がある。

このルールを守りつつも、いかにして競技者としてプレーしやすい状態にするか。ここで、選手としての特徴が表れるのだ。


遠藤航のソックス 写真:Getty Images

正統履き派

遠藤航、久保建英、ジャマル・ムシアラなど

ソックスをヒザ下で折り返すのは標準的な履き方だ。上部が二重になるため、すね当てが飛び出しづらくなる。子供の頃は脚に比べてすね当てが大きかったりすることもあり、確実に規則を守れるようにまず教わる基本的なスタイルだ。真面目で几帳面な優等生タイプの選手に多く、この「正統履き」はプロ選手でも一般的だ。

例えば、MF遠藤航(リバプール)、MF久保建英(レアル・ソシエダ)、ドイツ代表MFジャマル・ムシアラ(バイエルン・ミュンヘン)などがこの履き方をしている。


三笘薫のソックス 写真:Getty Images

ロング履き派

三笘薫、キリアン・ムバッペなど

膝上まで長くソックスを引き上げて履く「ロング履き」。脚線美が際立つが、もちろんそんなつもりでプレーしているわけではない。

倒されたりスライディングタックルをしたりした際に、膝を擦りむきにくくなる。また、ヒザ下で折らないことで膝関節部分の締め付けが弱まる一方で脚全体は引き締まる。コンプレッションソックスであれば、ブレが抑えられて負担が軽減され、筋肉や骨格をサポートできるとも言われている。また、皮膚の表面を覆う面積が広くなるため、保温効果もあり寒冷地に向いている。軽快に疾走して豪快に転倒するスプリンタータイプのアタッカーによく見られる。

例えば、MF三笘薫(ブライトン・アンド・ホーブ・アルビオン)やFWキリアン・ムバッペ(レアル・マドリード)などがこの履き方をしている。


中村敬斗のソックス 写真:Getty Images

ルーズ履き派

中村敬斗、ジャック・グリーリッシュなど

ソックスをできるかぎり下げて、ふくらはぎを露出させる「ルーズ履き」スタイル。少数派で、日本代表ではFW中村敬斗(スタッド・ランス)がいる。イングランド代表MFジャック・グリーリッシュ(マンチェスター・シティ)は、かなりギリギリの際どいところまで下げておりドキドキする。

肌が露出されていて涼しくなるため、暑い国でこのタイプの選手は生まれやすい。また、技巧派の選手に多い傾向があり、できる限り小さいすね当てを好む。

すね当てには、アンクルガードと一体化しているものもあるが、アンクルガードはルーズ履き派にとって邪道だ。ソックスとすね当ては保護のためのものなので、身体を張るのではなく技術で勝負するという意志の表明。もしくは、防御力を下げて攻め気を強調する。リラックスした印象になるため、軽快なプレーや精神性がファッションの特徴に表出していることも考えられる。

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名前Takuya Nagata
趣味:世界探訪、社会開発、モノづくり
好きなチーム:空想のチームや新種のスポーツが頭の中を駆け巡る。世界初のコンペティティブな混合フットボールPropulsive Football(PROBALL)を発表。

若干14歳で監督デビュー。ブラジルCFZ do Rioに留学し、日本有数のクラブの一員として欧州遠征。イングランドの大学の選手兼監督やスペインクラブのコーチ等を歴任。アカデミックな本から小説まで執筆するサッカー作家。必殺技は“捨て身”のカニばさみタックルで、ついたあだ名が「ナガタックル」。2010年W杯に向けて前線からのプレスを完成させようとしていた日本代表に対して「守備を厚くすべき」と論陣を張る。南アでフタを開けると岡田ジャパンは本職がMFの本田圭佑をワントップにすげて守りを固める戦術の大転換でベスト16に進出し、予言が的中。

宇宙カルチャー&エンターテインメント『The Space-Timer 0』、アートナレッジハブ『The Minimalist』等を企画。ラグビーもプレーし広くフットボールを比較研究。

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