
サッカー国際親善試合が4月6日に行われ、日本女子代表(なでしこジャパン)がコロンビア女子代表と1-1で引き分けた。
昨年12月にニルス・ニールセン新監督を迎えたなでしこジャパン。同監督のもとでの初の国内試合では、コロンビア代表の撤退守備をなかなか打ち破れず。攻撃面で課題を残した。
なでしこジャパンの攻撃が停滞した原因は何か。ここではヨドコウ桜スタジアム(大阪府)にて行われたコロンビア代表戦を振り返るとともに、この試合の前半を主に検証する。現地取材で得た、なでしこジャパンの古賀塔子と南萌華の両DFによる試合後コメントも併せて紹介したい。

旺盛だったハイプレスのマインド
両軍とも[4-1-2-3]の基本布陣を採用。コロンビア代表が最終ラインからパスを繋ごうとするやいなや、相手2センターバックをFW田中美南とMF宮澤ひなた(インサイドハーフ)が捕捉しようとする。前半2分に早速この構図を作り、コロンビア代表のパス回しをなでしこジャパンにとっての左サイドへ追い込んだものの、田中による相手MFロレーナ・ベドヤの捕捉が遅れたため、高い位置でボールを奪いきれず。このシーンでは最前線からの守備(ハイプレス)の連動性が低かった。
なでしこジャパンは守備時に田中と宮澤が最前線で横並びとなり、[4-4-2]へ隊形変化。先述のシーン以後もハイプレスのマインドは旺盛で、相手のパス回しを片方のサイドへ追いやる守備は概ね出来ていた。この点は次戦以降も継続したい。

前監督からの課題を解決できず
なでしこジャパンはキックオフ直後からボールを保持したものの、攻撃配置の悪さが災いしパスワークが停滞。コロンビア代表の最終ラインと中盤の2列を破壊する攻撃が、特に前半は少なかった。
前半3分には、センターバックの南から左サイドバックのDF北川ひかるへボールが送られたが、左ウイングFW籾木結花(MF登録)と北川がタッチライン際で縦並びになったため、コロンビア代表としては守備がしやすい状況に。この場面で籾木は相手ゴールに背を向けており、北川からのパスを受けたとしてもサイド突破が難しい状況だった。
サイドバックが自陣後方タッチライン際でボールを受けるがゆえに、その後のパスコースが無くなる現象は池田太前監督のもとでも見られたもの。昨夏のパリ五輪でもこの現象が起き、なでしこジャパンのパスワークが停滞していたが、ニールセン新監督のもとでも同じ問題が生じていた。
特に前半は右サイドの攻撃配置の悪さも顕著で、サイドバック古賀とウイングFW清家貴子(MF登録)がタッチライン際で縦並びになってしまう場面がちらほら。また、長谷川唯と長野風花の両MFが味方センターバックとサイドバック間へ降り、パスの経由地点を担おうとしていたが、この2人ではなくコロンビア代表の最終ラインと中盤の間へ無理矢理ボールが送られたことで、相手の守備網に引っかかってしまうシーンもあった。
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