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【独占】GK×YouTuber!東京ユナイテッド畠山諒介が語る学びの日々

インタビュー中の畠山諒介 写真:Yusuke Sueyoshi

登録者9.6万人(2025年3月26日時点)のYouTubeチャンネル『戦う169cmゴールキーパーHATAKE』でYouTuberとして活動しながら本気でJリーガーを目指すサッカー選手がいる。東京ユナイテッド(関東サッカーリーグ1部)のGK畠山諒介である。「身長が低い」という理由でGKのポジションや夢を諦めてしまう選手が多い中、そんな選手たちにも勇気と希望を届けるべく動画を配信している。

このインタビューでは、畠山が学生時代に経験した様々なエピソードや社会人サッカーでの苦悩、今後の目標について語っている。


北海道コンサドーレ札幌 写真:Getty Images

GKを始めるまで

ーサッカーを始めたきっかけとGKを目指した理由を教えてください。

畠山:2人いる兄がサッカーをやっていたこともありますし、父が少年団で指導者をしていたことなど元々サッカーが日常にある環境で育ちました。保育園を卒園し小学校に入学するタイミングで、流れで(サッカーを)始めました。小学校3年生までフィールドプレーヤー(FP)をやっていたんですが、北海道コンサドーレ札幌の下部組織(U-12)のセレクションをFPで受けたら落ちてしまって。当時は他の子たちに比べて身長が大きい方だったので、もしかしてGKだったら受かる可能性があるかな?と思ってセレクションを受けたら受かってGKになりました。GKをやりたくて目指したわけではなく、コンサドーレに入るためにGKを始めたのがきっかけですね。

ー北海道コンサドーレ札幌U-15への昇格が見送られ、クラブフィールズU-15(※)へ進みました。当時はどんな心境でしたか?

畠山:僕が小学校6年生だった時のチーム(札幌U-12)はGKが4人いて、僕が一番試合に出場する機会が多かったんですが、結果的に2番手の子がU-15に昇格して僕は上がれなかったんです。もちろん、育成年代なので将来性がある選手を考えた時に身長も見られたとは思いますし、これまでいろんな方から同じ質問を受ける中で「身長が理由で落とされた」と言ってきましたが、今になって思うと身長以外にもメンタル面や技術面をはじめ色々な要素が足りていなかったのかなと。サッカーに取り組む姿勢を含めての伸びしろが当時はまだ無かったんだと思います。

※一般社団法人北海道スポーツ企画『CLUB FIELDS』が運営する中学生(U-15)のサッカーチーム


小森飛絢 写真:Getty Images

大学時代には小森飛絢と対戦も

ーその後、札幌大谷高校から金沢星稜大学に進みました。当時戦った選手の中にはプロになった人も多いと思いますが、一番うまいと思った選手は誰ですか?

畠山:当時、新潟医療福祉大学にいたFW小森飛絢選手(現シント=トロイデンVV/ベルギー1部)ですね。彼とは対戦もしましたし(プレーを)観る機会も多かったので、技術的にはもちろん上手いんですけど、少ないタッチで確実にゴールを決めてくるという印象がありますね。そこは基礎技術の部分と決定力、オフ・ザ・ボール(※)の動きがほかの選手とは違うんだろうなと感じました。例えばドリブルがすごく巧い選手だと、どの人が見ても巧さの違いが分かるんですけど、そこまで目立った動きはしていないのになぜか不思議とゴールを奪うような選手に映っていました。

※サッカーの試合でボールを持っていない時間のこと

ーポジショニングの良さだったり、ポストプレーの上手さ、オフ・ザ・ボールでの動きの良さが際立っていますよね。

畠山:はい。結果を残す選手はボールを持っているシーンだけでなく、オフ・ザ・ボールの動きも上手いんだなとは感じましたね。

ー学生時代に対戦した選手の中で「絶対にプロになる」と思っていたのになれなかった選手はいますか?

畠山:難しい質問ですね(笑)。沢山いるんですけど、特に挙げるならコンサドーレ札幌U-12時代と札幌大谷高校時代に一緒にプレーしていたDF濱田雄也ですかね。彼は僕と違って北海道コンサドーレ札幌U-15に昇格したんですけど、U-18には昇格出来なくて。高校でまた一緒にプレーした後に彼は流通経済大学に進学したんです。大学時代は3年生の時からトップチームで出場していたし、一緒にプレーしたチームメートの中では技術もある選手で努力家だったので「コイツは(プロに)なるだろうな」とずっと思っていました。

大学卒業後は東海社会人サッカーリーグのFC刈谷(愛知県)に進むんですけど、その後すぐにサッカーを辞めてしまって。濱田は技術もあって両足で蹴れるし頭の良い選手だったんですけど、本人が言っていたのは「フィジカル面、足の速さ、身体の強さが無いと(プロでは)厳しい」と痛感したらしく、FC刈谷で花が咲かずに引退してしまいました。


湘南ベルマーレ 写真:Getty Images

プロのレベルを肌で感じたBTOP時代

ー畠山選手は金沢星稜大学を卒業後、2023シーズンはBTOP北海道(※)に加入。天皇杯ではJ1の湘南ベルマーレと対戦しました。プロとの違いを感じましたか?

畠山:まずはスタジアムの雰囲気が地域リーグとは大きく違うなと感じました。あとは芝の美しさやサポーターの応援もそうですし、それらが一番衝撃だったことを覚えています。プレー面で言えばフィジカルやスピードの速さはもちろんですが、ワンタッチパスやツータッチの無駄のないプレーがすごく上手かったですね。当時所属していたBTOP(北海道)はインテンシティが高いサッカーを掲げてやっていたんですけど、プレスに行ってもほとんどワンタッチ、ツータッチで剝がされてしまうので、その時はどうプレスをかけて良いのかが分からなかったですし、自分たちが(プレスに)行っていると思っていても剥がされてしまうので、前半の途中からプレッシャーに行けなくなってしまいました。

※北海道サッカーリーグ所属の社会人サッカークラブ

ーチームとしてプレスに行くものの、簡単に剥がされてしまったことでプレーに迷いが生じてしまった?

畠山:はい。その技術は地域リーグには無いものだと感じました。個人としては今(湘南)ベルマーレでプレーしているFW鈴木章斗選手にハットトリック(3得点)を決められてしまったんですけど、試合を見返すとシュートの質やオフ・ザ・ボールの動きが本当に脅威な選手だなと感じました。

ー実際に湘南ベルマーレと対戦してGKとして得たものはありましたか?

畠山:そうですね。一番大事だと思ったことは「臆さないメンタル」です。お客さんがあれだけ入ったスタジアムで且つJ1のプロチームと戦うとなると、どうしても普段通りのプレーが出来ない。「このプレーをしたらミスしてしまうんじゃないか」と思うことがあるので、メンタル面では普段以上に立ち向かう姿勢が大事だと思いますし、僕もその姿勢は出す気持ちでいたんですけど出せなかった。日頃からそういう舞台を想定した上で練習しないといけないんだなと思いました。

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名前:Yusuke Sueyoshi
趣味:スポーツ観戦(野球、サッカー)、サウナ、ジム
好きなチーム:北海道コンサドーレ札幌、ジェフユナイテッド千葉、バルセロナ
初めまして。Yusuke Sueyoshiと申します。
普段は医療機関に勤めており、整形外科分野を中心に携わらせていただいております。
幼少期からサッカーは観てきましたので、私ならではの視点から皆様に情報を発信していきたいと考えておりますので何卒宜しくお願いいたします。

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