2024シーズンを終えオフシーズンに突入した明治安田Jリーグ。契約満了での退団や補強による移籍など選手の去就がファン・サポーターを賑わせるこの時期、すでにアビスパ福岡のキャプテンMF前寛之が町田ゼルビアへ、川崎フロンターレのFW遠野大弥が横浜F・マリノスへ、東京ヴェルディのMF見木友哉がアビスパ福岡へ完全移籍するなど驚きの発表が続いている。
今後はゴールキーパーやセンターバックのポジションで玉突き移籍も予想され、今オフの移籍市場から目が離せない。なかでも注目なのが、今シーズンで契約満了になった選手たちだ。所属フリーの選手は移籍金が掛からないことが最大の魅力。ここでは、所属チームを契約満了となり移籍金ゼロで獲得可能なFW7選手をピックアップしていく(12月22日時点の情報に基づく)。
FWブライアン・リンセン
1人目はオランダの名門フェイエノールトなどで活躍したFWブライアン・リンセン。2008/09シーズンにオランダのフォルトゥナ・シッターでプロキャリアをスタートさせたリンセンは、その後も国内複数クラブを渡り歩き、フィテッセ時代の2019/20シーズンには14得点を記録しオランダ1部リーグ得点ランキング2位に輝いた実績を持っている。
2022シーズン途中の6月に浦和レッズへ完全移籍したが、初年度は怪我で数か月離脱したことも影響し、わずか3試合出場ノーゴールとなってしまった。翌2023シーズンのYBCルヴァンカップ清水エスパルス戦で移籍後初得点も上げたが、以降得点を量産できず。浦和に在籍した3シーズンで公式戦57試合9得点3アシストとストライカーとしては物足りない結果となっている。11月28日に契約満了が発表されたが、オランダをはじめとするヨーロッパクラブへの復帰が既定路線か。
FWパトリック
2人目は長年Jリーグで活躍しているFWパトリック。空中戦では無類の強さを発揮し、打点の高いヘディングシュートでこれまでの所属チームを幾度となく救ってきた。また、日本語習得に意欲的に取り組むなどピッチ外でも真面目な一面を見せており、日本に対するリスペクトも欠かさない。2018シーズンのサンフレッチェ広島時代には自己最多となる20ゴールを挙げ、J1得点ランキング2位に輝いた。
現在37歳のパトリックだが衰えを知らず、昨シーズンは京都サンガで公式戦35試合出場11ゴール2アシスト、今シーズンは名古屋で公式戦37試合出場8ゴール1アシスト。これまで在籍したJリーグ6クラブで計102ゴール16アシストと実績十分のベテラン選手だ。個人的には、J1初昇格を果たしたファジアーノ岡山が獲得したら面白い補強になるのではと考える。(※12月23日、J3ツエーゲン金沢が完全移籍加入を発表)
FW酒井宣福
3人目は兄がDF酒井高徳(ヴィッセル神戸)、弟は酒井高聖氏(2022年6月引退)というサッカー一家の3男で、屈強なフィジカルを生かしたボールキープ力や無理な体勢からでもフィニッシュまで持っていけるシュート意識の高さが特徴のFW酒井宣福。
2011年にアルビレックス新潟でFWとしてデビューしたが思うように活躍できず、サイドバックやセンターバック、ボランチへとコンバートされた経験もある。新潟では3年間で8試合0ゴールという不本意な結果に終わり、2014年に当時J2のアビスパ福岡へと期限付きで移籍。すると、37試合7ゴールと才能が開花し始め翌年もJ2で41試合7ゴールを挙げた。新潟への復帰後、ファジアーノ岡山への期限付き移籍や大宮アルディージャへの完全移籍をするも福岡時代に見せた輝きは影をひそめた。
しかし、サガン鳥栖へ移籍した2021年は公式戦34試合に出場しキャリアハイとなる8ゴール2アシストと復活の兆しを見せる。その活躍により名古屋へと移籍を果たすも、思うような成績を挙げられず序列は徐々に下がっていった。今季はシーズン途中に期限付きで移籍したレノファ山口(J2)で10試合出場2ゴールに終わっている。
現在32歳の酒井。ポテンシャルが高く魅力的な選手だが、現状J1で手を挙げるクラブは少ないかもしれない。持ち前のボールキープ力が脅威となり得るJ2やJ3で人気株となる可能性は高い。
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