
東南アジア最強決定戦での目標は
ーシンガポール代表チームの特徴は?
仲村:今回、タイでプレーしている代表チームの顔みたいな選手2人(CBイルファン・ファンディ、FWイクサン・ファンディ)が不在なので、正直チームとしての色が全く見えない状態です。その中で新戦力の僕が、どれだけ色を出せるかというのが大事かなと思っています。クラブでは、ディフェンシブミッドフィルダーやセントラルミッドフィルダーみたいな役割ですけど、代表ではトップ下に入るので、チームの得点力を上げるスパイスになりたいです。
ー小倉監督からは、どんな役割を求められていますか?
仲村:僕自身の強みはゲームのコントロールやロングパスの展開力だと思っているんですが、監督からは「お前の強みはダイナミックさだ」と言われていて、二列目からの飛び出しとかで違いを生み出してほしいと要求されています。使う側も使われる側も両方できなきゃいけないので、頑張りたいと思います。
ーグループステージで対戦するカンボジア代表には、同じく日系帰化選手の水野輝選手(元FC琉球)、小川雄大選手(元FC岐阜)、大瀬貴己選手(元HBO東京)が招集されています。カンボジアは行徳浩二監督が指揮しており、シンガポール代表との一戦では、日本人監督対決と同時に日系帰化選手対決も実現する可能性があります。この試合に特別な感情はありますか?
仲村:日系帰化選手のほかにも数人の帰化選手が呼ばれているようで、相当手強いんじゃないかと思っています。突破を考えるとシンプルにカンボジアには負けられないという気持ちがあったんですけど、そこに日系帰化選手がいるとなると、一層負けたくないという気持ちが芽生えました。水野選手とは同郷で古くからの知り合いでもありますから、ちょっと因縁めいたものも感じます。絶対負けないです。
ーズバリ今大会の目標は? また、グループステージ突破で最大のライバルになりそうなチームはどこですか?
仲村:僕がシンガポール代表の一員として初めて臨む大会なので、自分を試す機会ですし、やるからにはナンバーワンを狙いたい。シンガポール人になって、引退後に何を残せるかだと思っているので、結果もそうだし、自分がチームに遺産を残すためのチャレンジだと思って戦います。最初が肝心なので、とにかくいい結果で終わりたい。グループステージ突破に向けた難関は、アウェイで当たるマレーシア戦かなと思います。

日本代表との対戦を視野に
ーシンガポール代表選手となったことで、近い未来、日本代表との試合も実現するかもしれません。生まれ育った国の相手と戦うことを考えたことはありますか?
仲村:実はシンガポール国籍を取ると決めたときに目標を決めていて、それはシンガポール代表として日本代表と対戦し、両国の国家を涙を流しながら歌うということ。よく僕は眠る前に自分の目標を夢想することがあるんですけど、日本代表と戦っている自分の姿を想像することが多いので、そこが大きな目標になっているんだと実感します。
ー最後にシンガポール人フットボーラーとなった仲村選手の今後の展望を聞かせてください。
仲村:僕は目標を立てるのが結構好きで、日本と対戦するとか、ASEAN王者になるとか、アジアカップ予選を勝ち上がって強豪国と戦うとか色々と考えるんですけど、あまり遠いところまでは自分自身の力では変えられないなと意識しています。結局は今をどう生きるかで、それが将来に繋がる。目標を想像はするんですけど、今の自分にフォーカスし、いかに進化できるかに集中して毎日120%努力することで目標に近づいていけるようにしたいです。
コメントランキング