日本サッカー協会(JFA)は11月21日に理事会にて、懲罰規程の改正等を決議。22日に明治安田J1リーグ第28節の浦和レッズvs川崎フロンターレの後半45分勝負を控えるなか、ファン・サポーターに対する罰則の強化と解釈可能な文言を巡り議論が白熱している。
JFAが発表した懲罰規程の新旧対照表によると、2025年1月1日から施工される新たな規程では、「その他の違反行為」のひとつとして「サポーターの非行」という項目が追加。JFAが「FIFA(国際サッカー連盟)規則を踏まえた改正」と説明した同項目では、以下のように記されている。
「チームは、そのサポーターが競技及び競技会に関連して行った不適切行為に対し責任を負うものとし、たとえチームが自らに過失がないことを証明したとしても、チームに対して懲罰が科され得る」
その上で、該当する不適切行為として「競技場への侵入、又は侵入を試みる行為」「ピッチへの物体の投げ入れ」「花火やその他の物体の点火」「レーザーポインターや同種の電子機器の使用」「不適切なメッセージ(政治的、イデオロギー的、宗教的、又は攻撃的な性質を持つメッセージ等)を発信するためのジェスチャー、言葉、物、またはその他の手段の使用」「破壊行為」「試合の進行を妨げる行為」「その他競技場内又はその周辺の秩序若しくは規律を乱す行為」を挙げている。
ファン・サポーターの間で議論の対象となっているのは、「不適切なメッセージ(政治的、イデオロギー的、宗教的、又は攻撃的な性質を持つメッセージ等)を発信するためのジェスチャー、言葉、物、またはその他の手段の使用」が不適切行為にあたると定められた点だ。
これを巡っては、ネット上では「相手チームを煽れなくなる」「バチバチした空気が台無しになる」「ダービーマッチの空気が変わるかも」「煽り文化を否定するようになったら、興行として成り立たないのでは?」などと、反対意見が続出。応援スタイルの変化が予想されるなか、「JFAはどこを目指しているのか?」「JFAはあまりにもリスペクトに囚われすぎているのでは?」などと、JFAに厳しい意見を突き付けるファン・サポーターも見られる。
以前からスタジアムで対戦相手への侮辱行為が問題視されているJリーグ。ネット上での誹謗中傷投稿も深刻化している事態をJFAは重く受け止めたと考えられるが、ダービーマッチならではの空気感をはじめ、長らく継承されているJリーグの応援文化を守りたいというサポーターの思いにどう向き合うかが求められそうだ。
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