11月17日に行われた日本フットボールリーグ(JFL)第29節で、首位の栃木シティはアトレチコ鈴鹿に6-0で大勝。これにより栃木シティの今2024シーズンのJFL優勝と、来2025シーズンからのJリーグ参入が決定した。
同試合には9,000人以上が詰めかけ課題とされていた観客動員数もクリアし、JFL参入からわずか1年でJ3リーグ昇格を決めた栃木シティ。今後Jリーグで戦って行くためには何が必要なのか。ここではJ3で戦う栃木シティについて紹介するとともに来季に向けた課題を検証して行く。
栃木シティの歴史
栃木シティは1947年に創設された日立栃木サッカー部が前身となる。2010年にチーム名を栃木ウーヴァFCに変更し、2017年まではJFLで戦うも関東リーグへ降格。2019年からは関東1部リーグで戦うこととなる。
2020年、2022年と関東リーグを優勝。2023年にはシーズンを2位で終えるも、全国地域サッカーチャンピオンズリーグで優勝しJFLへ復帰する。そして迎えた2024年、JFL昇格1年目ながら優勝という結果でJリーグ参入を決めた。
全員で点を取るサッカー
JFLへの昇格からわずか1年での優勝、そしてJリーグ参入となった栃木シティ。その強さの秘訣は何だったのだろうか。JFLの順位表を見てみると18勝7分4敗(第29節終了時)で勝点61、2位高知ユナイテッドの勝点54とは実に勝点差が7となっている。
さらに得点数はリーグトップの63。内訳を見ると、チーム内得点王はFW吉田篤志の12得点、以下FW藤原拓海9得点、FW田中パウロ淳一6点、FW鈴木国友5点、MF岡庭裕貴、MF関野元弥などが4得点と続く。2桁得点を挙げる絶対的なストライカーがいるわけではないが、チーム全員で得点を重ねるサッカーで優勝を勝ち取るスタイル。大袈裟かもしれないが、かつてのプレミアリーグ、マンチェスター・シティに通じるものがあるように感じる。
現在はFWアーリング・ハーランドという圧倒的なストライカーを有するシティだが、ハーランド加入前の2020年から2022年には、MFフィル・フォーデン、FWリヤド・マフレズ(現アル・アハリ)、MFケビン・デ・ブライネ、FWラヒーム・スターリング(現アーセナル)、MFベルナルド・シウバなど中盤から前線に掛けての選手が全て得点できるスタイルでチームとしての底力を見せてきた。
同じ戦い方というとさすがに違うかもしれないが、チーム全員で点を取るサッカーは栃木シティの強さの秘訣だと言えるのではないだろうか。
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