フェルナンド・サントス監督(ベシクタシュ)
ポルトガル代表でフェルナンド・サントス監督は8年間(2014-2022)ロナウドのエゴを上手く扱い、ユーロ2016やネーションズリーグ2018/19を制した。
しかし、2人の関係は2022年のW杯で悪化。サントス監督はグループリーグの最終戦対韓国戦(1-2敗戦)でロナウドを途中交代させ、ベスト16の対スイス戦(6-1)では彼をベンチに置き、準々決勝の対モロッコ戦(0-1)に敗れて大会を去った。
当時、サントス監督の戦術的な意図は明確で、ポルトガル代表には若手の台頭やロナウド以外のオプションを積極的に活用する必要性が高まっていた。ロナウドがポルトガル代表の全盛期のパフォーマンスを発揮していないという点が、彼をベンチに置いた判断の背景にあったようだ。
サントス監督は2023年に「私は戦術的な理由で決断を下した。彼が最高の選手であることに変わりはないが、あの時は非常に難しい状況だった」と後に説明している。
アンドレア・ピルロ監督(サンプドリア)
アンドレア・ピルロ監督は、イタリア1部のユベントスというビッククラブで初めてトップチームの監督を務めた際(2020-2021)ロナウドとの関係に苦労していたが、それを軽視しようとしてきた。
2021年2月2日のコッパ・イタリア準決勝ファーストレグ、ユベントスがインテルに2-1で勝利した試合で、ロナウドは2ゴールを挙げハットトリックを狙っていたが、76分に途中交代となった。ロナウドのコンディションとチームの利益を考慮した決断だったが、ロナウドは交代に対して明らかに不満を示し、ピッチを去る際に頭を振るなど、不機嫌そうな態度を見せた。
試合後の会見でピルロ監督はロナウドについて問われ「今日のような試合で休息をとらせるのは普通のこと。彼は自分が試合に出続けるべきだと考えているだろうが、常にトップでいるためには休まなければならないことも知っているはずさ」とコメントした。
その後、2023年のインタビュー時にもピルロ監督は「ロナウドとの間に問題はなかったが、サッカーは急速に変わる。年齢も同じだ」と述べた。
ジョゼ・モウリーニョ監督(フェネルバフチェ)
サッカー界で最も大きなエゴを持つ2人が、おそらく最も伝統と激しさを誇るクラブ、レアル・マドリード(スペイン1部)で衝突しない方がむしろ不自然だろう。ロナウドがマドリードに在籍(2009-2018)中の2010年から2013にかけてをジョゼ・モウリーニョ監督が率いた。
まず、2010/11シーズンのCL準決勝で、モウリーニョ監督がバルセロナ(スペイン1部)相手に守備的な戦術を採用し、試合に敗れたことにロナウドが不満を抱いた。ロナウドは「この戦術は好きではないが、従わなければならない」と発言し、その結果、次のリーグ戦で先発から外されている。
2012/13シーズンには、ラ・リーガのタイトルをバルセロナに奪われたことで2人の関係はさらに悪化。ロナウドは試合でゴールを決めた後も喜びを見せず、チーム全体が「悲しい」状態にあるとコメントした。この発言もモウリーニョ監督との溝を深める一因となった。
さらに、2013年1月のコパ・デル・レイで、ロナウドが守備に戻らなかったことにモウリーニョ監督が激怒し、2人は衝突した。ロナウドは「これまで君のためにやってきたことがすべて無駄だったのか?」と反論し、殴り合い寸前にまでなったと報じられている。
最終的に、同年5月にロナウドが試合でゴールを決めた後、モウリーニョ監督に向かって暴言を吐き、「俺はここにいる」とピッチ上で自身の価値を示す行動をとった。この一連の出来事を通じて、当時2人の関係は決裂に向かっていった。
しかし2024年2月、モウリーニョ監督はYouTubeチャンネル『FIVE』でロナウドについて「たとえ5-0で勝っていて休むように言っても、彼は『いや、いや、もう1点取れる!』と言うんだ。彼にモチベーションなんて与える必要はない。野心も与える必要はない。技術も与える必要はない。少し戦術的な調整をして、あとは彼を幸せにしてやればいいんだ」と語っており、現在の関係は良好なようだ。
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