今夏、プレミアリーグ(イングランド1部)のクリスタル・パレスへ移籍した日本代表MF鎌田大地は、リーグ開幕から既に2試合連続で出場機会を得ている。ただし、この2試合はそれぞれ別のポジションでプレーすることとなった。
初戦ブレントフォードとの試合では、3-4-2-1の右シャドーをベースポジションとして先発出場し、70分間プレーした後FWジョルダン・アイェウと交代。第2節のウェストハム・ユナイテッド戦ではベンチスタートだったものの、63分にMFジェフェルソン・レルマに代わりボランチでの出場となった。
シャドーとボランチで求められる役割は当然異なるが、鎌田がより活躍できるのはどのポジションなのか。ここでは、前述の2戦で記録したスタッツ情報を用いて考察していく。
ボランチでみせた活躍
まず、目に入るのがパス数だ。ウェストハム戦では途中出場ながら29と、ブレントフォード戦の28を上回るパス数を記録している。ボール保持時の立ち位置に違いがあることや、その時のスコア状況も関わっていたと考えられるが、途中出場の試合の方が高い数値となった。初戦は相手ディフェンスとミッドフィールドの間で構えることが多かったが、第2節では相手一列目の背後に構える格好となっており、よりパスを引き出しやすく散らすことができるポジションだったといえる。
クロスに関しては、初戦の記録がゼロだったのに対しウェストハム戦では3回を記録。成功数はゼロだったものの、ダブルボランチのもう一方であるMFアダム・ウォートンは1回に留まっており、鎌田の試行数の多さが確認出来る。しかし、このチームにおけるクロスの主な担い手は、左ウィングバックのDFタイリック・ミッチェルだ。ミッチェルはこの試合、チーム内最多となる7回のクロスを上げている。
タックルやデュエル(1対1の対人戦)などの守備的スタッツでは、第2節で好成績を残している鎌田。タックルは2回のうち1回成功し、デュエルは5回のうち4回勝利している。ウェストハム戦でのタックルは2失点後であったものの、わずかな出場時間で2回の試行数を記録。第2節終了時点でタックル成功率は67%となり、チーム内のMF登録プレイヤーの中でエベレチ・エゼに次ぐ高い順位である。
わずか2試合ではあるが、ここまでの比較ではボランチ起用の方が良いのではないかと思える。ここで、ウェストハムとの前回対戦時、同ポジションで出場していた選手とのスタッツを比較してみよう。次の表は2024年4月のホームゲームで途中出場し、鎌田と近しい時間プレーしたMFナウイロ・アハマダとの比較結果である。
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