2024明治安田J2リーグは第27節までの日程を終了。ここからいよいよ終盤戦へと向かっていく。現時点では昨年惜しくもJ1復帰を逃した清水エスパルスが首位を走り、1年でのJ1復活を目指す横浜FCと開幕からわずかに3敗と安定感を見せるV・ファーレン長崎がそれを追う展開となっている。
ここからさらに激しくなることが予想される上位争いや残留争いに向け、J1クラブ同様J2の各クラブもこの夏戦力補強の動きが多く見られた。
ここでは、今夏の補強によって戦力アップに成功し終盤戦での躍進が期待できるクラブを3つ紹介していく。
※記事内の成績・順位は8月23日時点のデータに基づく
ベガルタ仙台:4位(13勝8分6敗)
新加入選手
- FW梅木翼(レノファ山口より完全移籍)
- DF實藤友紀(横浜F・マリノスより期限付き移籍)
- DF奥山政幸(町田ゼルビアより期限付き移籍)
昨2023シーズンは序盤から勝ち点が伸び悩み、夏に監督交代を行うも連敗が重なるなど浮上のきっかけとはならず、結果16位でのフィニッシュだったベガルタ仙台。今季こそはと臨んだ2024シーズンは、森山佳郎新監督のもとで序盤から7戦無敗と勢いに乗り現状4位とプレーオフ圏内につけている。
そんな仙台はこの夏、J1昇格をさらに近づけるため実力者の補強に成功している。まず守備陣ではDF實藤友紀、DF奥山政幸といった2名のベテラン選手を迎えた。實藤は加入後早速4試合に出場しており、守備の新たな中核として終盤戦に向けその経験値が活きる場面も多そうだ。奥山は昨年町田ゼルビアのJ1初昇格に貢献しており、實藤と同様守備にさらなる安定感をもたらす働きが期待できる。また、攻撃ではFW梅木翼を獲得。今季ここまでレノファ山口では3ゴール2アシストをマークしているほか前線で起点となる働きもできるため、個人だけでなくMF相良竜之介やFW中島元彦といった選手たちのさらなる得点力アップにつながる活躍にも注目だ。
昨年は9月以降の10試合でわずかに2勝と苦しい終盤戦を過ごした仙台。だが、今季はここまでの好調ぶりに加えこの夏チームをさらに安定させられる補強は叶ったと言える。昨年の悔しさから見事チームを立て直した指揮官のもと、新戦力を加えた仙台が現状のプレーオフ圏を維持できるか、さらに勝ち点差は離れているが自動昇格圏にどこまで迫れるか目が離せない。
徳島ヴォルティス:11位(10勝6分11敗)
新加入選手
- MF岩尾憲(浦和レッズより完全移籍)
- MFターレス(名古屋グランパスより完全移籍)
- MF鹿沼直生(ジュビロ磐田より完全移籍)
- DF山口竜弥(愛媛FCより完全移籍)
- FW村上悠緋(横浜F・マリノスより期限付き移籍)
今季開幕戦でヴァンフォーレ甲府を相手に1-5と大敗しその後連敗。さらに4月にはMF島川俊郎、MF西谷和希と選手が相次いで退団するなど暗雲が立ち込めた徳島ヴォルティスだが、監督交代を機に少しずつ調子を上げ順位も11位まで登ってきた。
そしてこの夏はさらに上位を目指すべく、J1とJ2の各クラブから積極的な選手獲得に動いた。まず、ファンやサポーターにとっても嬉しいニュースとなったのがMF岩尾憲の帰還だろう。岩尾は過去徳島に在籍していた2016~2021シーズンの間はリーグ戦ほぼ全試合に出場。特に2020シーズンは42試合に出場し6ゴール3アシストと昇格に大きく貢献していた。それだけに、チームをさらに上昇気流に乗せる働きが大いに期待されることは間違いない。また、同じく中盤ではJ1クラブよりMFターレスとMF鹿沼直生も獲得。開幕後に失った戦力の補填はできたと言えよう。守備陣では、今季攻撃面での活躍も大きかったDF橋本健人がJ1アルビレックス新潟へ移籍した一方で、愛媛FCよりDF山口竜弥を獲得。重要な戦力の流出もあったが、伸びしろに期待できる補強はできたと言える。そして最前線には横浜F・マリノスよりFW村上悠緋という期待の若手を加えた。
選手の退団や監督交代と序盤戦でチーム内に混乱はあったものの、ここまでの戦績は10勝6分11敗とほぼ五分の状態にまで持ち直した徳島。かつての中心選手の帰還も含め、この夏戦力の充実も図れた。ここから上位勢との連戦も控えているが、新戦力の働きで終盤戦台風の目となれるか注目したい。
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