2024明治安田J1リーグ第27節の計10試合が、8月16日と17日に各地で行われた。同リーグ16位の湘南ベルマーレは17日、本拠地レモンガススタジアム平塚にて15位柏レイソルと対戦。最終スコア1-2で敗れている。
公式戦連続無敗記録が6試合で止まったうえ、下位に沈むチーム同士の直接対決を落とした湘南。今節終了時点でJ2リーグ降格圏(18位以下)との勝ち点差1の17位と、危機的状況が続いている。
湘南が試合を掌握しきれなかった原因は何か。ここでは第27節柏戦を振り返るとともに、この点を中心に論評していく。
キックオフから乱れた攻撃配置
この試合における両チームの基本布陣は、湘南が[3-1-4-2]で柏が[4-4-2]。キックオフから僅か5秒後、湘南DF髙橋直也が柏MF小屋松知哉のプレスを浴び、パスミスを犯す。このミスから柏の速攻が始まると、左サイドを駆け上がったMFマテウス・サヴィオのクロスが湘南ゴール前を通過した。
ここでは中盤の底を務めたMF田中聡が柏2トップ(小屋松とFW細谷真大)の後ろではなく、相手の2ボランチ(手塚康平と白井永地の両MF)付近に立ったため、髙橋と田中の距離が開く形に。髙橋から田中へのパスを白井に読まれたことでボールを奪われ、これが柏の速攻に繋がってしまった。
中盤の底の田中が攻め上がっている状況下でボールを失えば、中盤が空くうえ相手の速攻を浴びるのは当然のこと。キックオフ直後は最終ラインからロングボールを蹴り、敵陣にボールがある状態で最前線から守備(ハイプレス)を仕掛ける。もしくは田中を相手の最前線の後ろに立たせたうえで丁寧にショートパスを繋ぐ。湘南は今後、このどちらかを徹底する必要があるだろう。
増やしたかった田中へのパス
今節の柏の守備の段取りは、2トップと両サイドハーフの片割れの計3人が、湘南3センターバックに立ちはだかるというもの。これにより湘南3バックのボール運びや配球を妨害しようとする意図が窺えた。
この柏の守備を受け、湘南MF田中は細谷と小屋松の背後且つ両者の中間地点(斜め後ろ)にあたる位置に立ち、味方センターバックからのパスを引き出そうとする。柏2トップ間を通過するパスを出し、その後ろに立っている田中へボールを渡せそうな場面がいくつかあったが、センターバックから同選手への縦パスが少なかったため攻撃ルートがサイドに偏った。多彩な攻撃を繰り出すという観点では、田中にパスを送る回数をもう少し増やしても良かっただろう。
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