鹿島アントラーズからマインツへ完全移籍したMF佐野海舟が、今月16日開催のDFBポカール1回戦で新天地デビュー。女性に性的暴行をしたとして不同意性交容疑で逮捕された後、釈放されて不起訴処分となっているが、現地では同選手を巡るクラブの対応が批判の対象となっているようだ。
同選手は7月14日未明、東京都内のホテルで女性に性的暴行を加えた疑いで、知人男性2名とともに逮捕。一時はマインツと契約解除、現役引退がネット上で噂されたものの、29日に釈放。今月1日にマインツへ合流すると、東京地検は8日に不起訴処分としていた。
佐野がマインツでプレーすることについては、現地でも議論の対象となっている模様。同クラブのサポーター団体『Ultraszene Mainz』は、15日に「性暴力と闘おう!」という見出しのもと、声明を発表。「佐野海舟を巡る事件は、数週間にわたりクラブとサポーターを悩ませてきた」とした上で、「マインツの責任者は、沈黙を貫いている。このような問題をテーブルの下に一掃することは間違っている。我々、特に性暴力の影響を受けている人々は、この問題を容認できない」と、クラブを非難している。
また佐野のチーム合流について、マインツが声明を出していないことを「中立的ではない。何も声明を出さなければ、性暴力の影響を受けた人々の意見が確実に届かない」と指摘。FWメイソン・グリーンウッド(オリンピック・マルセイユ)がマンチェスター・ユナイテッド在籍時に性的暴行に及んだことに触れつつ、「佐野がそのままチームに合流して、彼の苦悩のみ議論されるのは、実は加害者と被害者が逆転しているのではないだろうか?」「性暴力の被害者に対する侮辱だ」などと厳しい言葉を並べている。
なお佐野はデビュー戦で攻守にわたり存在感を発揮。試合後、チームメイトのFWヨナタン・ブルカートは「佐野は信じられないパフォーマンスを見せてくれた。すでにこのチームにフィットしている。言語の壁もすぐに打ち破るだろう」と絶賛しているが、いまだにクラブ外部からは厳しい目が向けられているようだ。
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