Jリーグ 横浜F・マリノス

キューウェル監督は横浜FMで降格のプレッシャーに耐えられるのか?

シント=トロイデン MF藤田譲瑠チマ 写真:Getty Images

藤田譲瑠チマの不在が大きい理由

オリンピック世代のホープ、MF藤田譲瑠チマがベルギー・プロリーグのシント=トロイデンへ移籍したことで、中盤のローテンションやオプションの質が下がったことは否めない。藤田は相手の攻撃の芽を素早く摘み取り、中盤でのボール奪取から素早く正確にパスを配給し、攻撃の起点となっていた。

藤田の不在はチームの戦術的柔軟性に影響を与えると同時に、若いながらもピッチ上でリーダーシップも発揮していたため、チームの士気や組織力にも影響を与えている可能性も考えられる。藤田移籍後の勝率を2023と2024シーズン共に22節までに限定してみると、2023シーズンは22試合中14試合に勝利して勝率63.64%、2024シーズンは22試合中7試合に勝利して勝率31.82%と極端に下がっている。他の要素も絡むので一概にはいえないが、かなりの確率で彼の存在は大きかったのではないだろうか。


ハリー・キューウェル監督 写真:Getty Images

理想スタイルを捨てて取り組むべきは

とはいえ、いなくなった選手のことを嘆いていても仕方ない。現状での補強としては、20歳のトーゴ代表MFジャン・クルードをUAEのアル・ナスルから獲得した。しかし、前所属クラブと横浜FMでは『Opta』のグローバル・クラブ・ランキングで750位以上の圧倒的なレベル差があり、Jのレベルに対応できるのかは正直未知数だ。今シーズンは同様に川崎フロンターレも15位と下位に沈んでおり、J1での地位も簡単に維持できるほどJ1リーグのレベルは甘くなくなっているのが現実だ。

また、負けが続けばサポーターとの関係も難しくなるのは当然で、横浜FMは6月29日のJ1第21節でホームで東京ヴェルディに敗れると(1-2)、キューウェル監督と選手たちはサポーターから激しいブーイングを浴びた。不満を募らせているサポーターとの関係を修復するにも、特効薬は目の前の「勝利」だけといえよう。

クラブ史上初の降格という不名誉がちらついてきた現在、キューウェル監督は自分の理想であるスタイルや思考を捨てて、単純にMFとDFラインの強化に取り組むべきではないだろうか。

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名前:Mount

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欧州某国在住、ライター、編集者

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