
黒田剛監督率いる町田ゼルビアや鹿島アントラーズなどが優勝争いを繰り広げている今季の明治安田J1リーグ。以前からJリーグ秋春制移行に関連して、酷暑下でプレーすることの厳しさが議論の対象となっているが、鹿島アントラーズOB内田篤人氏や川崎フロンターレOB中村憲剛氏が私見を述べている。
春秋制による夏場の公式戦開催については、元日本代表DF吉田麻也(ロサンゼルス・ギャラクシー)が昨年、内田氏と秋春制移行に関して議論する中で「この暑さで試合をするのは、もはや生命の危機を感じる。無理。サッカー面で言うと、パフォーマンスがとか強度がとか言うけど、シンプルに危ない。これは雪とか以前の問題」と主張。
Jリーグは昨年12月、2025年シーズン終了後に0.5シーズンの特別大会を設けた上で、2026年夏に秋春制へ移行することを公式発表したが、一部の識者は夏場の公式戦開催が選手寿命に影響を与える可能性を指摘している。
この酷暑下でのプレーは、インターネット動画配信サービス『DAZN』で今月1日配信開始の「やべっちスタジアム」でも話題に。解説者の中村氏は「日本の夏は(暑さが)かなり厳しいので、どう乗り切るかで秋以降の展開が見えてきますね」とシーズン後半戦のポイントを挙げると、矢部浩之さんからの「気持ちしかないでしょ?」という質問に対して、「最終的には気持ちですけど、相手を走らせるとか、自分たちがうまく休むとか、そういう作戦が必要になってくると思います」と答えている。
また、内田氏は今年5月2日配信開始の「内田篤人のフットボール・タイム」でJリーグの野々村芳和チェアマンと対談した際、自身の現役時代を振り返りながら「(夏場は)どうサボりながら勝つかを考えてしまう。でもそれは、全部出し切るというドイツ、ヨーロッパ(のプレースタイル)とやっていることが真逆」と指摘。
ドイツやフランスなど、大半の欧州諸国が秋春制を採用しているだけに、「Jリーグの20歳の選手が(夏場に)底のパフォーマンスを見せている時に、ヨーロッパの20歳のライバルは最も高いパフォーマンスレベルでプレーしているということを2,3年繰り返すと、差は広がると思う」と危機感をあらわにしている。
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