スペイン代表 EURO

王者イタリアを圧倒したスペイン代表「太陽の沈まない国」再来か【ユーロ2024】

ニコ・ウィリアムズ 写真:Getty Images

勝利の立役者は左ウィンガーのウィリアムズ。得点機を量産

スペインの左ウィンガー、FWニコ・ウィリアムズ(アスレティック・ビルバオ)は、78分にペレスと交代してピッチを退くまで、切れ味の鋭いドリブル突破と際どいシュートを連発。スペインの勝利に大きく貢献した。

まだ21歳だが、181cmの身体は競り合っても簡単には弾き飛ばされない強さがある。アスレティック・ビルバオのウィリアムズというと、FWイニャキ・ウィリアムズ(30歳)もいるが、実は二人は兄弟だ。兄のイニャキはガーナ代表を選択した。


ラミン・ヤマル 写真:Getty Images

右ウィンガーのヤマルも魅せた

16分には右サイドで相手を前にしてFWラミン・ヤマル(バルセロナ)がマルセイユ・ルーレット(ドリブル技術)を魅せると会場が沸く。

24分にはヤマルが右サイドでスピードに乗ってボールを受けると、そのままドリブルで中央に向かってどんどんイタリア守備陣を突破してラストパス(ゴールエリア付近でボールを受けたモラタは得点ならず)。整った守備を類まれなスピードとテクニックで切り裂いていくヤマルの単独突破だ。後ろにスペースを作るとスピードで突破されるし、後方で守備を固めてもドリブルで粉砕される。

60分にペナルティエリアの角から左足で巻いたシュートはファーポストの左にわずかに外れ、71分にベンチに退いたヤマル。前半は際立っていたが、終盤は体力を消耗した。ユーロ2試合連続の先発で、空き時間には学校の宿題もしなければならず、疲労が蓄積しているのかもしれない。

この日もスペインの攻撃陣は右に16歳のヤマルで、左に21歳のウィリアムズ。MFペドリも21歳にして、スペインは次から次へと若いタレントが育っているということだろう。

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名前Takuya Nagata
趣味:世界探訪、社会開発、モノづくり
好きなチーム:空想のチームや新種のスポーツが頭の中を駆け巡る。世界初のコンペティティブな混合フットボールPropulsive Football(PROBALL)を発表。

若干14歳で監督デビュー。ブラジルCFZ do Rioに留学し、日本有数のクラブの一員として欧州遠征。イングランドの大学の選手兼監督やスペインクラブのコーチ等を歴任。アカデミックな本から小説まで執筆するサッカー作家。必殺技は“捨て身”のカニばさみタックルで、ついたあだ名が「ナガタックル」。2010年W杯に向けて前線からのプレスを完成させようとしていた日本代表に対して「守備を厚くすべき」と論陣を張る。南アでフタを開けると岡田ジャパンは本職がMFの本田圭佑をワントップにすげて守りを固める戦術の大転換でベスト16に進出し、予言が的中。

宇宙カルチャー&エンターテインメント『The Space-Timer 0』、アートナレッジハブ『The Minimalist』等を企画。ラグビーもプレーし広くフットボールを比較研究。

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