Jリーグ ジェフユナイテッド市原・千葉

ジェフ千葉DF岡庭愁人、サイドハーフで頭角を現す「最初は未知だった」【現地取材】

岡庭愁人 写真:浅野凜太郎

2024年5月13日(月)、ジェフユナイテッド千葉が公開練習を行った。前日に行われたJ2リーグ第15節ヴァンフォーレ甲府戦(2-2)では、前半のうちにフリーキックを直接決めれらてしまい1点を追いかける厳しい展開だった。それでも千葉は、サイドからの攻撃で何度も好機を演出すると、後半13分にDF岡庭愁人のクロスにFWドゥドゥが頭で合わせて同点。すると直後の21分には途中出場のFW小森飛絢がゴールを決め逆転に成功した。そのままの勢いで勝ち切りたい千葉だったが、試合終了間際に甲府のFWピーター・ウタカに痛恨の同点弾を決められてしまい試合終了。第14節の横浜FC戦(1-0)に続く白星とはならなかった。

悔しい引き分けから一夜明け、大雨が降るユナイテッドパークでは前日のスタメン組が室内で調整を行った。甲府戦でもフル出場しアシストも記録したDF岡庭愁人が自身の現状について語ってくれた。


小林慶行監督 写真:浅野凜太郎

勝つためのプレーを見極めたい

ー甲府戦は悔しい引き分けとなってしまいましたね。

岡庭:自分たちで難しい状況にしてしまった、というのが一番ですね。

ー試合後、岡庭選手はピッチ内でもひときわ悔しそうでした。

岡庭:そうですね。やっとスタメンに抜擢されてからの2試合目だったので、絶対に勝たなければいけないという想いがありました。あと一歩というところまで近づいていたので、あの結果は率直に悔しいです。

ー第13節いわきFC戦(0-1)では途中出場から何本も良いクロスをあげていて、横浜FC戦ではスタメンに抜擢されました。その過程はご自身としてどうでしたか?

岡庭:途中から出る試合が多いなかでやるべきプレーは明確で、後はタイミングだけだと思っていました。いわき戦も色々とプランがあるなかでの試合だったので、起用の仕方を尊重していましたし自分自身ストレスなくやっていました。

僕は与えられた時間で結果を残そうと思っていたので「いわき戦があったから」という考えではありません。ただ、選手としてスタメンで出場して勝利に貢献したいと一番に思っているので、横浜戦でスタメンにチョイスしてもらえたときには、甲府戦でのアシストように結果で応えることで個人としての差を出していく必要があるとは思いました。

ー積極的なクロスは監督からの指示ですか?

岡庭:最初の頃の交代では「自分の強みを活かしていけ」と言われていましたけど、今はその強みをベースにしてチームとしてのやり方を考えてもらっています。チームは、自分がクロスを上げやすいようにオーガナイズされたサッカーをしているので、時間を貰えれば積極的に仕掛けたり、外してクロスをあげていきたいです。自分の強みはどの相手にも通用すると感じているので、スタメンで出場する以上、それだけではなく勝つために必要なプレーを見極めるということに注目していく必要があります。


岡庭愁人(大宮アルディージャ所属時)写真:Getty Images

複数ポジションでのプレー

ー2023シーズンは右サイドバックでの出場がほとんどでした。前線でのプレーに難しさは感じていますか?

岡庭:最初は「未知」という感じでした。キャンプではサイドバックもやっていましたが、ミーティングや練習を重ねていくなかで一個前のポジションでもプレーできるなと感じていたので、実際にプレーすることに対するストレスは思っていたよりもありませんでした。このサッカーならば、サイドハーフの位置でも自分の良さがもっと出せるなと感じていましたし、自分にしか出せないプレーが数多くあるなと思っています。

ーサイドハーフでの手ごたえを掴んだのはいつ頃からですか?

岡庭:練習試合でやった柏レイソル戦のときは、サイドバックとして出場していました。でも、もしかしたら自分の特徴を活かすためには一個前のポジションがいいのではないか、という提案を監督にしてもらって、自分もそれに対してポジティブにチャレンジしたいという気持ちを伝えました。結果的に、その試合の後半でサイドハーフをやってみて、レイソルはJ1ですけど感覚的に「できるな」と感じることができました。実際にそこから途中出場を重ねることで、より自信もついてきたと思います。

ー甲府戦では左サイドも経験しました。複数ポジションでプレーすることは簡単ではないと思いますが?

岡庭:左サイドでのチョイスは初めてだったんですけど、やることは変わりません。逆に、左サイドでしかできないカットインもあるので、そこに大変さは感じていません。まだまだ改善点はありますけど、ポジションごとのやるべきプレーというのは整理できていますし、そこに対しての不安だとかはあまりないです。

もちろん悩んだ時期もありますし、頭の切り替えや強度の出し方、サイドバックでは味方を動かす必要があったのに対して、サイドハーフでは自分がアクションを起こしてチームの矢印にならなければいけないなど、そこの切り替えが難しかったですけど今は適応できている感覚があります。練習でサイドバックをやることもありますし、このチームのなかで自分だけがそのような立場に置かれていると思うので、僕にとって本当に価値のある経験ができています。

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名前:浅野 凜太郎

趣味:サッカー観戦、旅行、音楽鑑賞、撮影
好きなチーム:マンチェスター・ユナイテッド
ワールドカップに行くことが夢です。よろしくお願いいたします。

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