大岩剛監督率いるU23日本代表は、今月22日開催のAFC U23アジアカップ兼パリ五輪予選グループステージ最終節でU23韓国代表と対戦。FW藤尾翔太(町田ゼルビア)が韓国戦の印象を語ったが、“日韓戦”に対する意識でメディアと選手の間で温度差があるとみられる。
韓国戦でフル出場したものの、ゴールを決められなかった藤尾。日本サッカー協会(JFA)公式YouTubeチャンネルで24日に公開された「Team Cam 韓国代表戦の舞台裏」では、JFA広報のインタビューに応じる同選手の様子が捉えられている。
その中で、藤尾は韓国戦について「言葉に表すのは難しいけど」と前置きした上で「UAEや中国とは違って、独特な雰囲気はある。試合前はそう感じるが、試合が始まればいつもの(他の)試合と変わらないので、あまりやりづらさはない」と発言。日韓戦という意識が強くないことや平常心で試合に臨めることを強調していた。
この藤尾のメンタリティーと対照的なのが、テレビ朝日取材陣のコメントだ。韓国メディア『フォーフォーツー』が22日に伝えたところによると、同テレビ局の関係者は試合2日前に韓国代表の練習拠点を訪問。
韓国人記者に対して「韓国代表選手は総じて闘争心に満ち溢れていますね。特に日本と対戦するときは、そういう傾向がありますよね」と述べたほか、「韓国代表選手の闘争心はむしろプラスだと思います。日本と韓国は良いライバル関係を保っていますからね」と語ったという。
日韓戦に対する意識については、北京五輪の日本代表メンバーである大久保嘉人氏が藤尾とほぼ同様の意見を述べている。同氏はインターネット動画配信サービス『DAZN』で今月22日配信開始の「やべっちスタジアム」に出演。MCの矢部浩之さんから「日韓戦になると、我々ファンとしては特別な思いで見てしまう。『絶対に負けたくないな』と。実際に戦っている選手はどうですか」と訊かれると、以下のように語っている。
「意外だけど、日本側からすると、そういう気持ちは全くない。本当に意識していない。他の国と戦うのと同じ。韓国が一方的に日本に対して感情をかなり持っている。だから韓国のペースになると、どうしても試合が荒れる。普通に削って来るので、韓国は」
今回の韓国戦でも、敗れたとはいえX(旧ツイッター)上では「韓国をライバルとは思っていない」「日韓戦が特別だとは思わない」という声が多く挙がっていた。ピッチに立った一部の日本代表選手も特別な感情を抱いていないと考えられるだけに、「日韓戦は特別であり、負けられない」という報じ方により一層疑問の目が向けられている。
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