「不思議な大会だった」東京五輪
ー2021年に行われた東京五輪のメンバーに無事選出されましたが、ご自身にとってオリンピックはどんな大会でしたか?
三好:難しいですね…。結果的には悔しい大会でした。メダルを取れていないんで。結局4位だった。吉田麻也くんも最後の方で言っていたんですけど「メダリストで終わるのか、ベスト4で終わるのか全然違う」と。ましてや自分たちは金メダルを目指してたんで、結局なにも成し遂げられなかった大会だと思います。個人としても、そこは本当悔しかったです。コロナもあって大会も延期して観客も入らず、何か不思議な大会でしたね、今思えば。
ーやっぱり選手もそう思っていたんですか?
三好:思ってましたよ、だって観客いないんですよ!(笑)親も家族も見に来れないんですよ。運営の人たちだけスタンド入って、もちろんありがたいですけど。今思ったら、あんな中でよくみんなやってたよなって。別にオリンピックに限らないですけど。
コロナの時期だからしょうがない部分もありますが、なんかオリンピック感があまりなかったというか。僕らは選手村にも入れないし、ずっとチームで同じホテルに缶詰状態でそこから試合に行って。対戦相手は外国チームですけど、なんだか「オリンピックだった…のかな?」って感覚(笑)。だから、自分はワールドカップに出れなかったですけど、あれだけの熱狂度があるような大会にまた自分も出たいなと思いました。
ー五輪では先発出場が初戦の1試合のみで、その他は途中出場でした。個人的には「ちくしょう」と悔しい気持ちでしたか?
三好:そうですね。やっぱり入れなかったら「ちくしょう」ですが、ただチームが勝つために自分は何ができるかを大会中に考えるので、そこに不満とかは別に持たないです。個人としてスタートから出られないことや、チームの力になりきれてないというところは冷静に分析して、自分の力が足りない部分は受け止めなければいけない。逆に言ったらその悔しさが今に繋がったなという風に思います。
ー今振り返ると何が足りなかったと思いますか?
三好:今もそうですけど、前線の選手は試合を決定づける力っていうのは常に必要とされています。五輪のような大会ではタレントとなる選手がいるチームが勝つじゃないですか?そういった選手は点を取るし。だから自分がそういう選手にならなければいけないですし、なりたいって思ってる。
日本代表として世界で戦っていくには、今だったらタケ(久保建英)だったり(堂安)律、(伊東)純也くん、そういった選手以上の活躍をしなければその舞台に立てないと思っています。(三笘)薫もそうですけどちゃんとした結果を残しているので、自分がそういう舞台に立ちたいと思ったら彼ら以上の活躍をしないといけないのは当たり前のことだって感じですね。
「迷いは全くない」バーミンガムからの再出発
ーそして2023年にはバーミンガムに移籍されました。どのような経緯だったのでしょうか?
三好:2022年の終わりに怪我(左膝の前十字靭帯損傷)をしちゃって、アントワープでの2022/23シーズンはほぼ棒に振ったので、フリーになってからも海外でやりたかったです。日本に帰るという選択肢は全く持っていませんでした。
4月くらいの段階で復帰はできていたのですが、アントワープも優勝争いをしている中で試合には出してもらえず、というかそこまで(コンディションを)持っていけず。でも次の年を見据えて「自分のコンディションは戻っているんだぞ」っていうのを代理人経由でいろんなチームにアピールしてほしかった。オファーをくれるクラブがあればそこに行ってチャンスを掴みたいと思っているなかで、バーミンガムからオファーをいただいて選んだ感じです。
ーご自身初めての2部リーグですが、Jリーグのトップチームや、ベルギーリーグの上位アントワープを経験されてからの2部挑戦に抵抗はありませんでしたか?
三好:無くはないですけど、いってもイギリスなんで。チャンピオンシップって2部だけどチームの力とか予算規模とかそういった面ではベルギーリーグとかより上、もしくは同等の力を持ったクラブたちがいると思います。僕もそんなに知らなかったんですけど。ましてや昇格すればプレミアリーグという世界最高峰のリーグに挑戦できる。そこは簡単じゃないですが、怪我からの復帰という部分もあったので新たな国に挑戦したいと思い、2部ですけどイギリスでやってみたいなと思いました。
ーバーミンガムの印象は?
三好:その時は(バーミンガムを)知らなかったですね(笑)。
ーですよね(笑)ではチャンピオンシップの印象は?
三好:ありましたよ。それこそ中山(雄太)が1年早く行ってて。去年だったらバーンリーの(ヴァンサン・)コンパニ監督もベルギーから行ってましたし、アントワープの時のチームメイトとかもバーンリーに行ったりしてて、情報はちょくちょく見てました。リーグとしての質の高さっていうのは聞いたり見たりもしてたんで、挑戦することに対しての戸惑いはなかった。楽しみの方が大きかったです。
ー今のところはどうですか?
三好:今年も語れば色々出てくる1年になっていますけど(笑)。それも含めて経験だし難しさもあり、個人的には怪我をせずここまでプレーできている充実感もあるって感じですね。ただ、激しいリーグなのでまだ気を抜けません。
ーバーミンガムへの移籍を聞いた時は、とても意外に思いました。ご自身のなかでは良い選択だったと納得できていますか?
三好:そこも僕は全く迷いがないというか。怪我をしている中で一番最初に熱いオファーをくれたのがバーミンガムでした。それ(熱意)は自分のなかで大切にしているものなので。このチームで僕は本当にプレミア昇格を狙うつもりで来ましたし、現時点では難しい1年になっていますけど(バーミンガムに)来るタイミングではオーナーやいろんなものが変わる中で、その力になれればと思っていました。だから今も思ってますけど、そこに関しては全く何の迷いもなければ戸惑いもないというか、良いクラブだと思います。
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