3月17日に第4節まで終え、約2週間の中断期間に入った明治安田J1リーグ。混戦は毎年恒例だが、今2024シーズンはやや異変が発生している。安定した成績を残してきた長期政権クラブが、ここまで低迷しているのだ。長期政権は本来、序盤戦の完成度の高さが強みになるべきだ。
鬼木達監督体制8年目の川崎フロンターレが現時点勝点3の15位。ミハイロ・ペトロヴィッチ監督体制7年目の北海道コンサドーレ札幌が勝点1の最下位(20位)。どこに問題が発生しているのだろうか。
ペトロヴィッチ体制7年目、札幌の序盤戦
「ミシャ」の愛称で親しまれるペトロヴィッチ監督が札幌に就任して7年目。用いる戦術は「ミシャ式」と呼ばれるほどJリーグに多大な影響を与えてきた指揮官が、苦戦を強いられている。
開幕戦(2月24日)は悪くなかった。アウェイでアビスパ福岡とスコアレスドロー。持ち味の攻撃力こそ鳴りをひそめたが、五分といっていい内容だった。ところが、第2節のサガン鳥栖戦(3月2日)で0-4の完敗。PK失敗やDF中村桐耶の退場などアクシデントの多かった試合とはいえ、苦しい敗戦となった。
ペトロヴィッチ監督にとっては古巣対戦となった第3節の浦和レッズ戦(3月10日)でも0-1で敗戦。3試合未勝利であること以上に、攻撃に特長を持つチームにも関わらず無得点であることが、チームの異変を物語っていた。第4節の町田ゼルビア戦(3月16日)でも、好調の相手に2失点。後半39分に18歳のMF原康介の得点でシーズン初得点を挙げたものの、反撃はそこまでだった。
主力の流出と、相次ぐ怪我人
4試合を終え、わずか1得点で1分3敗。本来の姿からはかけ離れた状況にある札幌。この苦境の原因は、おもに2つ。主力の流出と、相次ぐ怪我人だ。
今季に向けてはDF田中駿汰(セレッソ大阪)、MFルーカス・フェルナンデス(セレッソ大阪)、FW小柏剛(FC東京)などが流出した一方で、新加入選手の多くは将来性こそあるものの現時点でのスキルや実績ではやや劣る。これまで攻守に局面を打開してきた個を失ったことで、力負けするシーンが増えている。
それ以上に問題なのが、怪我人の多さだ。GKやFW登録の選手をはじめ怪我人が相次ぎ、直近の第4節の前にもMF青木亮太が負傷した。ベストではないポジションで起用せざるを得ないなど、難しいやりくりが続いている。
ある程度仕方のない状況にあるとはいえ、序盤戦の順位低迷や勝ち点のロストは、シーズンを通して背負い続けなければならないハンデとなる。
3月30日に迎える第5節は、王者ヴィッセル神戸とのアウェイゲーム。難しい試合になることが予想されるが、ここで勝利できれば勢いづくことは間違いない。今季初の複数得点を挙げ、今季初勝利を叶えられるか。
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