興國高校(大阪)監督時代にFW古橋亨梧(セルティック)らを輩出した内野智章氏(現奈良クラブ・ユースコーチ兼テクニカルダイレクター)が、今月1日に自身のYouTubeチャンネルを更新。負傷離脱により北中米W杯アジア2次予選の日本代表メンバー選外が確実なMF三笘薫(ブライトン)の市場価値にも言及したほか、課題点を指摘している。
筑波大学、川崎フロンターレ、ベルギー1部ユニオンSGを経て、ブライトンで目覚ましい活躍を見せている三笘。今季は負傷離脱を繰り返しているが、ドリブル突破を武器とした個人能力は現地でも高く評価されている。また同選手は昨年10月にブライトンと契約延長。しかし欧州の複数メディアはマンチェスター・ユナイテッドやDF冨安洋輝擁するアーセナルなど、ビッグクラブからの関心を報じている。
この日本代表屈指のドリブラーには、内野氏も熱視線を注いでいる。同氏はMF香川真司(セレッソ大阪)やMF本田圭佑(無所属)らを比較対象とした上で、三笘の凄さについて以下のように述べている。
「海外で縦に突破していきながらゴール・アシストできる選手が、ついに日本でも現れたなと。中田英寿や本田圭佑、香川真司、久保建英とか、ゴール・アシストという部分で言うとみんな成し遂げていたけど、外国人選手の身体能力を相手にしながら縦に突破していくという点で、今までのレジェンドとはまた違った選手かなと」
また内野氏は「三笘がもっと若い時に海外挑戦していたら、どのような選手になっていたか」と訊かれると、「アジア人選手にとって、24歳くらいで海外に行くというのは、肉体的な部分で言うとそんなに遅くはない。海外(の選手)は22歳くらいでチームの中心になるということを言われている。海外目線で見た時の年齢だと、(24歳は)少し高いのかなと。(肉体的に)海外の22歳は、アジア人選手の24歳くらい」
「三笘は今の活躍を2年早くしていたら、おそらく市場価値は下手したら2倍近く(だったかもしれない)。2年の差で変わってくると思う。筑波大学や川崎フロンターレの下部組織に入ってくるお金も全然違う。若くして海外に行った方が市場価値が高いので、(移籍金が支払われるという点で)育てた人たちにものすごく恩恵がある」と持論を展開。ドイツ発の移籍専門サイト『トランスファーマルクト』が同選手の市場価値を5000万ユーロ(約80億円)と査定していることを踏まえると、1億ユーロまで跳ね上がっていた可能性があるという。
今後の活躍を期待される三笘だが、昨年12月21日開催のクリスタル・パレス戦で左足首を負傷。コンディションが万全でない中、AFCアジアカップの舞台でプレーした後、先月18日開催のプレミアリーグ(イングランド1部)シェフィールド・ユナイテッド戦で悪質なタックルを受けて再び負傷。今季中の復帰は絶望的とみられている。
それだけに内野氏は、日本代表MFが抱える課題のひとつとして「いかに怪我をしない体づくりをするか」と指摘。日本代表招集による長距離移動等の影響に言及した上で「筑波大学出身ということで、身体作りに関しては日本トップの大学だし、本人もすごく勉強していると思う。川崎フロンターレの関係者から聞いたけど、彼はかなりストイックにコンディション作りをしていたみたい。ただそれでもやっぱり怪我するので。ただそれをとにかく徹底的に取り組んで、怪我しない身体を作ってほしいと思う」とエールを送った。
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