Jリーグ 浦和レッズ

浦和元コーチ、年60試合消化を素晴らしい経験と感じたワケ「日本人は…」

マチェイ・スコルジャ監督 写真:Getty Images

 浦和レッズは2023シーズン、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)やFIFAクラブワールドカップなど、複数のコンペティションを並行する中で公式戦60試合を消化。マチェイ・スコルジャ前監督の右腕であるラファル・ジャナス氏が、試合数や日本人の性格に言及している。

 浦和はJ1リーグで終盤までヴィッセル神戸や横浜F・マリノスなどと上位争いを繰り広げたほか、YBCルヴァンカップで準優勝。2022/23シーズンのACL決勝アル・ヒラル戦では、激闘の末に2試合合計2-1で勝利。2023/24シーズンのACLはグループステージ敗退という結果に終わったが、昨年12月のクラブW杯ではクラブ・レオンを下したほか、欧州王者のマンチェスター・シティとも対戦している。

 スコルジャ監督とともに2023シーズン限りで浦和を離れたジャナス氏は、ポーランド1部レフ・ポズナンのコーチに就任。同クラブ公式インタビューで、浦和での経験について以下のようなコメントを残している。

 「年間60試合というのは、膨大な数だ。6つのコンペティションを戦ったが、これは素晴らしい経験であり、1シーズンでこれほど多くの試合を戦うことは滅多にない。そこで私は(日本人の)信じられないほどのプロフェッショナリズムを見てきた」

 「日本人にはプランAがあって、BやCがないなんて笑ってしまう。常にプランAが機能しなければならないからね。すべてが完璧に組織化されているんだ。一緒に仕事した人たちも、信じられないほど勤勉だった。(勤勉は)日本について語る時に出てくる典型的なワードだけど、実際に体験しない限り、少し想像上のことのように思える。しかし実際に行ってみると、それはもうはったりではない。現地でそのような人たちと一緒に仕事ができるのは嬉しいことなんだよ」

 「ただ日本での生活は、外国人にとって難しい。チームには日本文化に馴染む人もいたし、最初から日本のライフスタイルに合っている人もいた。だが、中には大きな問題を抱えていたり、完全に適応できない人もいた。理想的な生活の場ではないが、契約に縛られているため、何とかやりくりしているんだ」

 2023シーズンに60試合を戦ったことについては、ジャナス氏とともにスコルジャ監督を支えていたヴォイテク・マコウスキ氏が先日、ポーランドの公共放送局『ポーランド・テレビ』のインタビューで「もちろんこのような試合日程によって疲れが出た選手もいたが、全員が100%のパフォーマンスを見せてくれた。ただそれでもコンディション回復が難しく、我々はこの問題に対処しなければならなかった」と、コンディション調整における苦悩を告白。

 昨年5月6日に埼玉スタジアムで行われたACL決勝2ndレグのアル・ヒラル戦後に祝勝会が無かったことに言及した上で「祝勝会を行わなかったことは、日本文化や日本人の性格、仕事に対する向き合い方と関係している。数日後にはまたピッチに出て、次の試合に向けてベストを尽くさなければならないということを、誰もが頭の片隅に置いているんだ」と日本人の性格に言及していた。