INAC神戸レオネッサの安本卓史代表取締役社長が、今月28日にX(旧ツイッター)を更新。少人数によるクラブ運営の実態を明かしたほか、WEリーグ(日本女子プロサッカーリーグ)事務局からの要求や対応等に、厳しい言葉を投げかけている。
安本社長はWEリーグに関する情報を度々発信。自身のXアカウントで毎節、各試合会場の観客動員数をファン・サポーターに向けて伝えているが、これに北海道サッカー協会道央ブロック技術委員の永田敏彦が「このままでは現場は大変。安本社長の投稿から、リーグ側も何かを感じてもらい、そして何かの施策に繋がれば」と指摘した。
すると同社長は「ビジネスの側面からは数字が絶対的な評価で、これだけ頑張ってますからと言って良いのはアマチュアの世界です。プロとしてやるならお客さんを集め、人気を集めとやらなくてはなりません。おっしゃる通りで、リーグはここに目を背けてはなりません」と前置きした上で、INAC神戸のクラブ運営について以下のように綴っている。
「Jリーグ傘下のチームは男女兼用スタッフがいるところもありますが、弊クラブは6人のスタッフで運営しています。運営兼チケット担当、営業兼グッズ兼理念推進担当、広報担当、スクール兼ホームタウン担当、アカデミー統括兼渉外兼試合運営サポート担当、ファンクラブ兼広報兼経営企画(デジタルコンテンツ)担当、そして社長兼営業兼スタジアムDJ兼ホームタウン兼広報兼行政担当の私」
「アイデアを絞り、工夫をしながら運営をしていて、スタッフは疲弊する日もありますが、仕事を楽しみながらやってくれています。選手もそれを見て、なお一層頑張ろうと感じてくれていると思います。それがスタッフの励みにもなっています」
その上で、安本社長はリーグ側の指摘や対応と現場サイドの実態に乖離があることを明かしている。
「リーグ事務局からは『おたくは人数が少ないから人を入れなさい』と指摘を受けています。お金があったらとっくに入れてる」
「チーム人件費を確保し、スタッフ人件費を捻出し、スタジアム利用料(ノエスタ=WEリーグで最も高い)・警備費を出し、遠征費を出し、とするなら4億円以上かかります。リーグからの配分金はたったの3千万円。年会費は2千万円。タイトルパートナーはどうなった?賛助会員はどれだけ集まった?アプリはどれだけの人がダウンロードしている?渋谷の発信拠点にはどれくらいの人が来ている?」
「全部数字で測る事が重要です。だから、私は各地の人数を毎試合調べて、自分たちの現在地を計っています。そのついでに結果も速報としてお出ししています。少しでも結果に興味を持っていただけるように」
今年夏のFIFA女子ワールドカップでなでしこジャパン(日本女子代表)がベスト8まで勝ち進んでから、3か月後に開幕した2023/24シーズンのWEリーグ。女子サッカーの人気回復にむけての課題が浮き彫りになっている。
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