ジュビロ磐田(現在4位)
残りの対戦カードと今季戦績
- 第39節:徳島ヴォルティス(第12節2-3)
- 第40節:東京ヴェルディ(第13節0-0)
- 第41節:水戸ホーリーホック(第8節5-1)
- 第42節:栃木SC(第6節2-0)
FWファビアン・ゴンザレスの契約を巡り、国際サッカー連盟(FIFA)から補強禁止処分を科される中で2023シーズンをスタートさせたジュビロ磐田。だが、横内昭展新監督のもとでまとまりを見せたチームは、結果的に自動昇格を狙える位置で最終盤を迎えている。開幕から序盤は多少出遅れたものの、MF鈴木雄斗やMF松本昌也といった昨年からの主力がチームを支え、また、下部組織から昇格した新星FW後藤啓介の存在も大きく、夏には11戦負けなしと勝ち点を積み上げてきた。しかし、ちょうど無敗が途絶えた町田戦(第30節1-2)以降は思うように勝てていない。
第38節では清水との静岡ダービーにも敗れ(0-1)、やや停滞感が漂う磐田。次の第39節には今季敗れている徳島との対戦で、続く第40節には自動昇格圏を争うライバルの1つ東京Vとの直接対決も残っている。今季最初の対戦ではスコアレスドローで終わったこのカードの結果が、最終成績にも大きな影響を与えるだろう。敗れた町田戦も含め千葉、清水と現在自動昇格圏を争うライバルたちには軒並み1点差で敗れてきただけに、流れを考えれば今の磐田にとって東京Vは怖い相手だ。しかし、今後の2戦を取りこぼすことになれば、自動昇格圏争いからの脱落は免れない。まずは徳島戦で連敗を阻止し、ダービーでの負けを払拭したいところ。残る10月の2戦が磐田のJ1復帰へのカギとなる。
ジェフユナイテッド市原・千葉(現在5位)
残りの対戦カードと今季戦績
- 第39節:東京ヴェルディ(第10節1-0)
- 第40節:いわきFC(第21節0-0)
- 第41節:ザスパクサツ群馬(第3節2-2)
- 第42節:V・ファーレン長崎(第1節1-0)
実に14シーズンもの長きにわたって、J2での厳しい戦いを余儀なくされてきたジェフユナイテッド市原・千葉。近年はプレーオフからも遠ざかり、なかなか復活の兆しを見せられずにいた。しかし、今季は第38節終了時点で5位と躍進。シーズン序盤は苦戦を強いられたが、8月から続いた7連勝を経て一気に上位まで駆け上ってきた。直近の第38節水戸戦(1-1)では引き分けたが、負けなしは継続中。残り4試合で自動昇格圏(2位)との勝ち点差は6と厳しいが、大逆転を虎視眈々と狙っている。
昨年から主力を張るMF田口泰士やMF見木友哉の働きももちろん、冬や夏の補強で獲得した選手たちの働きも極めて印象的だ。大卒ルーキーのFW小森飛絢が攻撃を牽引し、現在チームトップの12ゴールをマーク。そのほか、スピードやセットプレーが魅力のMF日高大や夏に獲得したFWドゥドゥなど、新戦力が単に試合に絡むだけでなくゴールやアシストといった目に見える結果を出していることが大きい。残り4節は自動昇格圏を争う東京Vやプレーオフ圏を争う長崎との対戦も残っており、難しい試合も複数ある。しかし、ようやく掴みかけているJ1復帰のこのチャンス。勝ち点差を見れば悲観的にもなるが、無敗の勢いを保ったまま最後まで走り切れば一縷の望みは残っている。かつてはJ1の残留争いで奇跡を起こした経験のある千葉。今度は昇格の場面でドラマを見せられるか注目だ。
安心できるのは現在首位の町田のみ
ここまで述べてきた通り、あと1勝で昇格を手にする町田については優勝も含めて秒読み段階と見ることができる。一方、2位以下の4チームの中では、上位との直接対決がない清水が現在の勝ち点差も含めて優位と言える。しかし、ボトムハーフのチームに対する取りこぼしも今季複数あることから油断できない状況は続く。また、現在自動昇格圏外にいる3位~5位の3クラブの中では勝ち点差や対戦カードから見ても千葉が圧倒的に不利だろう。そして東京Vは千葉や磐田、磐田は東京Vとの直接対決で浮沈が決まる。
この状況を見るに自動昇格となる上位2クラブは、現在の勝ち点差や対戦カード、今季戦績などからこのまま町田と清水の手中に収まる可能性が高い。しかし、町田と違って清水には勝ち点の余裕が無いに等しいため、追随する3クラブが勝ち続ければ逆転の可能性は大いにある。残り4戦、自動昇格の可能性を残す各クラブは、最後の最後まで気が抜けないシーズンになりそうだ。
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