Jリーグ

首位町田を追う3クラブのキーマンたち【J2リーグ2023】

乾貴士(左)染野唯月(中)リカルド・グラッサ(右)写真:Getty Images

消化試合数に多少の差はあるものの、多くのクラブが残り10試合を切った2023明治安田生命J2リーグ。昇格、残留、プレーオフと注目ポイントの多いことがJ2リーグの魅力だが、中でも最注目となるのはやはり優勝争いだ。

今季、冬に監督を含めたスタッフ陣の刷新と大規模な補強を敢行した町田ゼルビアが、開幕から好調で現在1位。1試合未消化ながら2位との勝ち点差は6で、残りの試合数を考慮すれば優勝に王手をかけていると言えよう。残念ながら、チームを牽引してきたFWエリキの怪我による長期離脱こそあったが、エリキ不在となった直近3試合の戦績は1勝1分1敗。エース不在でも勝ち点を積み上げることに成功し、改めてチームとしての強さを示している。

しかし、町田を追う2位以下のクラブも僅差で迫っており油断ならない状況だ。勝ち点差10以内で首位を狙うのはジュビロ磐田、清水エスパルス、東京ヴェルディの3クラブ。いずれもJリーグ史で名門と名高いクラブばかりだ。優勝の可能性が残っているだけに、新進気鋭の町田に易々とタイトルは譲らない姿勢を崩していない。ここでは、そんな町田を追う3クラブのキーマンと今後の展望について紹介していく。


ジュビロ磐田 DFリカルド・グラッサ 写真:Getty Images

ジュビロ磐田

キーマン:DFリカルド・グラッサ

J2第34節を終えた現在、勝ち点差6で首位町田を追う2位のジュビロ磐田。自動昇格圏につけてはいるが、直近5戦は町田との直接対決で敗れるなど2勝2敗1分の成績で、11戦負けなしだったころから考えればやや失速が見られる。加えてプレーオフ圏となる3位との勝ち点差はわずかに1。町田を追う一方で下に居並ぶクラブからのプレッシャーも相当大きなものだろう。

磐田は残り8試合、そのなかに現状3位清水エスパルス、4位東京ヴェルディとの直接対決も残している。その2クラブも含め6つの対戦カードで今季勝ち星を掴めていない。もちろん、チーム状態も環境も異なるためあくまでも参考程度の戦績だが、少なくともプラスに捉えられる要素ではないだろう。そこでキーマンとして挙げたいのがDFリカルド・グラッサだ。

今季の磐田は補強を禁じられた中、昨年わずか2試合の出場だったMFドゥドゥやユース出身のFW後藤啓介の活躍もあり、ここまで61得点はリーグトップタイと上位に相応しい攻撃力を誇っている。しかし、失点数に目を向けると37失点は上位4クラブ中で現状唯一の30点台だ。残る対戦カードでも6試合で失点しており、勝ち点を積むためには一層DF陣の奮起が不可欠だ。

リカルドは直近の第34節で対峙したFWシュヴィルツォク(大宮アルディージャ)をはじめ、今季J2の強力なFW陣相手にフィジカルの強さを発揮し守備陣の中核を担ってきた。残りの対戦カードでも、V・ファーレン長崎、清水エスパルスなど高さと強さを誇るFWを要するチームが残っている。失点を抑え自動昇格を確実なものとし逆転優勝を狙うためにも、改めてリカルドの強さが求められることは間違いない。

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名前大島俊亮
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