現地サポーターの心を掴んだ坂元
前節のレスター戦では試合終了間際の出場で7分程度のプレーしかできなかった坂元だが、同試合前には日本時間10日に行われたカラバオカップのウィンブルドン戦でフル出場を果たしている。しかしコベントリーは4部リーグに所属する格下相手にまさかの逆転負け(1-2)。坂元は前半にトップ下に入り、後半は左ウィングバックに入ったが、相手選手のクロスをブロックしきれずこれが決勝点となってしまった。
シーズン早々カラバオカップ敗退が決まってしまったが、現地メディアからの坂元へ評価は上々だ。現地紙『コベントリーライブ』は、ウィンブルドン戦での坂元に7点の高評価を与え「初めて坂元をしっかりと見ることができた。辛抱が大事だ。この選手はボールを持つと明らかに才能溢れるフットボーラーであることが分かるが、まだイングランドのフットボールに慣れている最中。チームメイトとの波長も合わせようとしている段階だ。後半は改善点が見られた」と綴っている。
今ミドルズブラ戦では、65分の早い段階から最初の選手として坂元が投入されたことに、ロビンズ監督の期待の高さをうかがわせる。特に印象的だったのが、坂元がボールを持ってドリブルを仕掛け切り返しで相手DFを翻弄させると、スタジアムから歓声が沸き起こったことだ。
68分に得意の切り返しを見せると一瞬にしてコベントリーサポーターの注目を集め、坂元がボールをもつと盛り上がる。目の肥えたイングランドサッカーファンが特定の選手に盛り上がることは少ないが、坂元への何かを起こしてくれるという期待感が彼らににひしひしと伝わっているのが分かる。
また、80分に5バックの右サイドに入った坂元は、しっかりと守備もこなした。相手選手に素早く寄せ右サイドを死守。88分には左サイドから崩されてゴール前の相手選手に供給されたボールをしっかりとクリアし、相手の絶好の得点チャンスを阻止した。ボールを保持している場面ではリスクを冒さず味方選手に指示を出すなど、高い守備への意識と周囲との連携の向上が見られたのもポジティブな材料だろう。
ミドルズブラ戦終了後、同現地紙は坂元の出来に7点を与え「途中出場すると生き生きとしているのが見られた。相手選手を翻弄すると見ている観客を立ち上がらせた」と評価した。一方、同じポジションで先発したエヴァイクは6点の採点となった。
シーズン初白星をつけたコベントリーは、次節アウェイでスウォンジー・シティと対戦する。現地のサポーターの心を掴みつつある坂元には、今後も出場時間を徐々に伸ばしていき、チームの主力となって活躍することを期待したい。
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