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冨安健洋、アーセナル残留か。インテル移籍消滅に向かう2つの理由とは

冨安健洋 写真:Getty Images

 プレミアリーグ(イングランド1部)アーセナル所属の日本代表DF冨安健洋には、セリエA(イタリア1部)インテルからの関心が報じられている。しかしアーセナルが高額な移籍金を要求していることにより、移籍実現の可能性は低いようだ。

 冨安は今年3月16日のUEFAヨーロッパリーグ(EL)スポルティングCP戦で右ひざを負傷。今季開幕後に復帰する可能性が伝えられていたが、懸命のリハビリもあり先月4日からプレシーズントレーニングに参加。アメリカツアーで2試合に出場した一方、今月7日に行われたコミュニティ・シールドのマンチェスター・シティ戦では出番がなかった。

 イタリアメディア『カルチョメルカート』は今月5日に「インテルはレンタル移籍による冨安の獲得にむけて、アーセナルと交渉している」とリポート。インテルの財政事情について以下のように伝えていた。

 「資金面で苦しいインテルは、ヤン・ゾマーとラザール・サマルジッチの獲得を目指している中で、冨安を完全移籍により獲得する余裕はない。買い取りオプション付きのレンタル移籍により獲得することになるが、冨安の年俸300万ユーロ(約4億7000万円)はインテルにとって法外な額だと考えられる」

 するとイタリア紙『ガゼッタ・デッロ・スポルト』は9日、冨安の去就を特集。これによると、インテルは3バックの右を補強ポイントに掲げており、冨安を獲得上位候補に含めているとのこと。しかしアーセナルは完全移籍での放出しか容認せず、移籍金を3000万ユーロ(約47億3000万円)に設定した模様。同紙は「アーセナルは高額の移籍金を求めている。インテルがその金額を支払う用意があるかどうかはまだ分からない」と綴っている。

 またアーセナルは左サイドバックの即戦力として、アヤックスからDFユリエン・ティンバーを獲得。今季センターバックや左サイドバックでの起用が見込まれる冨安にとってライバルである。ただ英メディア『ブースルーム』は、UEFAチャンピオンズリーグとプレミアリーグを並行して戦う上で、アーセナルにとって冨安が必要不可欠な戦力だと主張している。

 パリ・サンジェルマンへ完全移籍したDFミラン・シュクリニアルの後釜確保を急いでいるインテル。財政面での問題にくわえて、守備陣での戦力充実を図るアーセナルの意向もあり、冨安の獲得は厳しいと考えられる。