ワールドカップ 女子サッカー

決勝T進出のなでしこ。コスタリカ戦で光った猶本、藤野の戦術遂行力【女子W杯】

なでしこジャパン 写真:Getty Images

なでしこジャパンことサッカー日本女子代表は26日、2023FIFA女子ワールドカップのグループC第2節でコスタリカ代表と対戦。最終スコア2-0で勝利した。

同じくグループCで連勝を収めたスペイン女子代表とともに、決勝トーナメント進出を確定させたなでしこジャパン。5-0で大勝した第1節ザンビア女子代表戦から先発メンバーを4人入れ替えたが、統率のとれた守備と、明確なプランに基づく攻撃でコスタリカ女子代表を寄せつけず。危なげない試合運びを見せた。

ここでは、なでしこジャパンが2ゴールを挙げた前半に焦点を当て、勝因を解説していく。


日本女子代表vsコスタリカ女子代表、先発メンバー

日本女子代表vsコスタリカ女子代表︰試合展開

[4-2-3-1]の守備隊形を軸にハイプレスを仕掛けてきたコスタリカ代表に対し、[3-4-2-1]の基本布陣で臨んだなでしこジャパンが落ち着いてボールを保持。林穂之香と長谷川唯の両MFが、相手MFプリシラ・チンチージャ(1トップ)やFWマリア・パウラ・サラス(トップ下)の両脇付近にタイミング良く現れ、味方センターバックからのパスをテンポ良く捌いた。

第1節ザンビア女子代表戦から引き続き1トップで起用されたFW田中美南も、主にコスタリカ代表MFクリスティン・グラナドスとキャサリン・アルバラード(2ボランチ)の斜め後ろに現れ、味方からのパスを受け取り。敵陣や中盤でのボールの預けどころとして存在感を示し、攻撃の起点となった。

林、長谷川、田中の安定感溢れるボール保持やパス捌きに他の選手も応え、なでしこジャパンは前半25分に先制点をゲット。3センターバックの右を務めたDF三宅史織から遅攻が始まり、同選手から田中にボールが渡る。

FW田中美南 写真:Getty Images

三宅のパスをセンターサークル付近で受けた田中が左サイドへボールを送ると、これにMF猶本光が反応。相手DFマリア・パウラ・コトの背後を突いた猶本がペナルティエリア左隅で左足を振り抜き、ゴールネットを揺らした。

先制直後も攻撃の手を緩めなかったなでしこジャパンは、前半27分に加点。MF杉田妃和(左ウイングバック)のクロスボールが右サイドに流れ、これを19歳のMF藤野あおばが拾う。同選手が軽快なドリブルでペナルティエリア右隅へ侵入すると、相手GKダニエラ・ソレラのニアサイドを射抜くシュートを放ち、追加点をもたらした。

サッカー日本代表史上、ワールドカップにおいて10代でゴールを決めたのは、男女を通じて藤野が初。この19歳MFの快挙で勢いづいたなでしこジャパンは、その後も隙のない攻守を披露。前半に奪った2点のリードを守りきり、決勝トーナメントへの切符を手にしている。

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名前:今﨑新也
趣味:ピッツェリア巡り(ピッツァ・ナポレターナ大好き)
好きなチーム:イタリア代表
2015年に『サッカーキング』主催のフリーペーパー制作企画(短期講座)を受講。2016年10月以降はニュースサイト『theWORLD』での記事執筆、Jリーグの現地取材など、サッカーライターや編集者として実績を積む。少年時代に憧れた選手は、ドラガン・ストイコビッチと中田英寿。

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