女子サッカー

なでしこジャパンW杯直前パナマ戦会場で見えた「世間のリアルな声」

日本女子代表 MF長谷川唯 写真:Getty Images

なでしこ専用桜色ユニ「青より日本っぽい」

加えて興味深かったのが、なでしこユニフォームの人気だ。スタジアムの開門時間前にもかかわらず、既に桜色のアウェイユニが売り切れ寸前だった。売り場の担当者によると、圧倒的に女性が多く、このアウェイユニを目当てに即決購入する人がほとんどだという。実際に日本代表男子と同様のブルーのホームユニは、まだまだたっぷりと積まれていた。

サッカー日本代表史上初の女性専用ユニであることが人気の理由の1つかと予想するも、実際に着用している方に聞くと「ピンクかわいいよね」「青よりなんか日本っぽい」など、純粋にデザイン性に惹かれたというストレートな意見が多かった。やはりユニフォームは、デザイン性が売上を左右する極めて重要なポイントなのかもしれない。


日本女子代表 MF長野風花 写真:Getty Images

迫力プレーに湧く歓声「ちょっとすごいんですけど!」

選手入場と共に、日の丸フラッグを振り上げるサポーターの力強い声援が。会場内の人々はそれに乗り、子供たちも立ち上がり歓声を上げ、全体が熱気に包まれた。

地元の宮城県に限らず全国各地、特には福島や岩手など東北地方からの観戦者が多い。「マイナビ仙台のファンなので、今日は宮澤ひなた選手(マイナビ仙台)を応援しに来ました!」という声も。東北唯一のWEリーグクラブをきっかけに、なでしこジャパンを応援しに来たという訳だ。スターティングメンバー発表時には、仙台に縁のある元マイナビ仙台のMF長野風花(現リバプール)の名に対して、一段と大きな声援が上がった。

試合が開始されると各所から「かなり、うまいよね!」「ちょっと、すごいんですけど!」「可愛いすぎるでしょ!」など、プレーに対する驚きのリアクションを含めた生の声が飛び交う。想像していた以上のプレー技術の高さや、パワフルさにスピードを目の当たりにしてこそ飛び出した「世間のリアルな声」だ。

なでしこたちの迫力のあるプレーに、すっかり勝利の期待感を得て、子供たちは跳ね上がり大人は両手を掲げるなど、約一万人が非常に熱い時間を共有した。常連のファンだけでなく、初めての女子サッカー観戦となった人々も少なからず存在したと思われる。多くの人が様々な視点から、なでしこジャパンのパワーを知り得た日となったはずだ。

紅白の国旗を胸にした戦士たちは、果たして南半球の地で「勝利」の日の出を迎えることは出来るだろうか。初優勝を果たした女子W杯ドイツ大会から、12年の沈黙を壮大に越えて行くことを願い、みんなで日本中からエールを贈ろう!

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名前:Molly Chiba
趣味:自然散策、英国のあれやこれやをひたすら考えること
好きなチーム:トッテナム・ホットスパーFC

東北地方の田園に囲まれ育ちました。英国のフットボール文化や歴史、そして羊飼いやウールなどのファッション産業などに取り憑き、没入している日本人女性です。仕事のモットーは、伝統文化を次世代に繋ぐこと。

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