女子サッカー

なでしこジャパンW杯直前パナマ戦会場で見えた「世間のリアルな声」

日本女子代表 写真:Getty Images

なでしこジャパン(サッカー日本女子代表)は、7月20日に開幕となるFIFA女子ワールドカップ(W杯)オーストラリア&ニュージーランド大会を直前に控え、14日、国際親善試合MS&ADカップ2023でW杯出場国のパナマ女子代表と対戦し、5対0という幸先の良い勝利を挙げた。

同試合後にはW杯の壮行セレモニーが行われ、会場のユアテックスタジアム仙台には元なでしこジャパンの澤穂希氏や、森保一日本代表監督が駆けつけた。梅雨明け前の不安定な天候にもかかわらず、なんと約10,206人という人々が来場。各々オリジナルのフェイスペイントを施し、会場を盛り上げた。

ここでは女子W杯直前にした同試合会場の盛り上がりの様子と、来場者たちの様々な「生の声」をお届けしよう。女子サッカーに対する世間の気持ちの変化は垣間見ることができるだろうか。


ユアテックスタジアム仙台 写真:Molly Chiba

WEリーグブース「普段より年齢層様々」

会場となったユアテックスタジアム仙台には、WEリーグ(日本女子プロサッカーリーグ)のブースが設置された。なでしこジャパンメンバーには当然WEリーグ選手も多く、WEリーグファンにとっての大イベントでもあるだろう。

ブースには選手の直筆サイン入りで、試合中写真やオフショット写真が展示されている。足を止め中を眺めては、スマートフォンで撮影する姿が多く見受けられた。独りで訪れる男性も。元々はJリーグ浦和レッズファンであり、浦和レッズレディース(WEリーグ)にも興味を持ち始めたとか。

「今日は日本代表の試合ということもあって、ブースを訪れる年齢層も幅広くそして男女比もちょうど良い感じがします。例えばこの会場(ユアテックスタジアム仙台)の地元クラブ、マイナビ仙台の試合などだと、圧倒的に男性が多いです」(ブース関係者)

「各クラブによってその傾向は様々で、例えば浦和であれば男子チームの影響が大きく、それで男性の比率が高かったりとかします。男子チームの試合開催日に、このWEリーグの看板を見てその存在(WEリーグ)を知らないという声も実際ありますね」(同関係者)

「今日の会場に訪れた皆さんは、なでしこを応援に来ている方々なので、もちろんWEリーグを知っていて当然という雰囲気です。(なでしこメンバーの中に)WEリーグの選手が多いので。そこからのファンも多いです」(同関係者)


日本女子代表サポーター 写真:Getty Images

子供たち多数!グッズ&撮影スポットにも夢中

キックオフは19時05分というナイトゲームだったため、大人の姿が目立つ会場を想像するも、意外にも時間の経過と共に子供たちの姿が続々と増えて行くという驚きの展開に。年齢層は小学生から高校生まで様々で、友人同士のグループで会場を練り歩く姿も多く見受けられた。

小学生ほどの子供たちがオフィシャルグッズショップの前で、何かをこぞって眺めている姿を発見。なでしこメンバーの背番号が描かれているキーホルダーや、タオルなどのオリジナルグッズ一覧を見て「ゆいちゃん(マンチェスター・シティMF長谷川唯)のが欲しい!」「ひなちゃん(マイナビ仙台MF宮澤ひなた)に、りさちゃん(ウェストハム・ユナイテッドDF清水梨紗)のもまだあるかな?」など、お気に入り選手が存在する様子だ。

また、なでしこメンバーのパネルと一緒に撮影できるスポットや、選手のイラストが描かれているポスターなどにも駆け寄る子供たちの姿も多い。撮影スポットの担当者は「来場者全体の子供の割合は高いです。中学生くらいの年齢層の子たちが撮影ブースを発見して『撮影してほしい』と興奮して駆け寄ってくれることも多い」と話す。

これらの光景からは、女子サッカーに対する若い年齢層からの興味関心の高まりを感じる。特に小学生くらいの子供たちは両親の影響はあれ、自身が何らかの形で女子サッカーに興味を抱いている様子だ。

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名前:Molly Chiba
趣味:自然散策、英国のあれやこれやをひたすら考えること
好きなチーム:トッテナム・ホットスパーFC

東北地方の田園に囲まれ育ちました。英国のフットボール文化や歴史、そして羊飼いやウールなどのファッション産業などに取り憑き、没入している日本人女性です。仕事のモットーは、伝統文化を次世代に繋ぐこと。

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