Jリーグ 湘南ベルマーレ

17位転落の湘南。C大阪戦で露見した攻守の質不足【J1リーグ2023】

湘南ベルマーレ DF石原広教 写真:Getty Images

湘南の攻撃配置は要改善事項

この試合で露見した湘南の攻撃の問題点は、[3-1-4-2]の布陣で臨んだ際の両ウイングバック(DF石原広教と中野)、及び[4-4-2]の両サイドバック(石原と杉岡)がGKやセンターバックからパスを回すときに低い位置に張りすぎていること。彼らが自軍のセンターバック付近や、自陣後方のタッチライン際でボールを受けようとし、相手チームのプレッシングの標的となる場面が散見された。基本布陣[4-4-2]のC大阪のサイドハーフとサイドバックの間に立ち、相手チームがマークの受け渡しに困る状況を作るのがベターだった。

また、3バックの両脇の選手と、ウイングバックが大外のレーンに同居してしまう場面もちらほら。これは柏レイソル戦(J1第11節)でも露見した課題だが、今14節でも浮き彫りになってしまった。湘南の攻撃配置は要改善事項と言えるだろう。


湘南ベルマーレ 山口智監督 写真:Getty Images

「爆弾を投げる場面もあった」

湘南の山口智監督はC大阪戦後の会見で、自軍の攻撃について言及。漫然としたパスワークと、自身によるチームへの落とし込み不足を反省した(湘南ベルマーレの公式ホームページより引用。一部加筆、補正、省略)。

「今日は相手が全然(プレスに)来ないなかでボールを動かすテンポだったり、自分がボールを持っている時に持ちすぎて考えてしまって判断が遅れる、尚且つ雑になってしまってボールホルダーが爆弾を投げるような(リスキーなパスを出す)シーンがあったと思います」

「自分のところに誰も来ていないのに爆弾を投げる場面もあったし、何よりも何を目指すのかということが抜けていたと思います。選手は本当に一生懸命やってくれているなかで、自分のもっと意識を持たせるところだったり、習慣にしていくところは大きな課題として出たと思います。しっかり目的を持ってポジションを取り続ければできるところが、疎かになってしまったというのは原因としてはっきりしたと思います」

「90分を通してやり続けるという約束事があるなかで、しんどくなってきたり楽をしたくなってきたりすると、(ミスが)起こってしまう。そのあたりはもう一度、もう一度というかずっと要求しなければいけないと思います」

J2リーグ降格圏(18位)との勝ち点差4の17位と、苦境に陥った湘南。選手はもちろんのこと、就任3シーズン目を迎えた山口監督にとっても正念場と言えるだろう。

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名前:今﨑新也
趣味:ピッツェリア巡り(ピッツァ・ナポレターナ大好き)
好きなチーム:イタリア代表
2015年に『サッカーキング』主催のフリーペーパー制作企画(短期講座)を受講。2016年10月以降はニュースサイト『theWORLD』での記事執筆、Jリーグの現地取材など、サッカーライターや編集者として実績を積む。少年時代に憧れた選手は、ドラガン・ストイコビッチと中田英寿。

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