
海外女子選手のロールモデル化も参考に
女子サッカーの普及には海外国の成功例も参考になるだろう。イングランドやアメリカは女子サッカーの強豪国として知られている他に、女子サッカーの認知度も高く、人気スポーツとしてランキング入りしているほどだ。その背景の1つに、選手個人がインフルエンサーとして、いわゆる周囲のロールモデルの役割も果たしていることがある。
例えば、女子サッカー界のレジェンドといえば、元イングランド代表(2006-2022)MFジル・スコット(2022年8月引退)が挙げられる。FA女子スーパーリーグでは、エバートン(2006–2013、2021)、マンチェスター・シティ(2013–2020)、アストン・ビラ(2022)などで活躍した。2020年に女子サッカーの普及に貢献したとしてイギリスから大英帝国勲章(MBE)を授与されている。
スコットは、代表では161試合出場27ゴールの記録を残し、最多出場選手第2位にランクされているほど優秀だった一方で、現役時代から自身のSNSを活用し様々な選手との触れ合いや、ピッチの裏側なども寛容な姿勢で公開してきた。その社交性の高さからイギリスで大人気のTV番組やラジオなどにも多数出演し、老若男女問わずにファンは非常に多く、その中には同国のウィリアム王子の存在も知られる。選手としての活躍はもちろんだが、それ以外にもSNSなどを活用して世間との壁を破り、1人の人間としても周囲との関係構築に成功したと言える。
この様なSNSを活用した女子サッカーの普及方法について、JFA女子サッカーデー・トークイベントに参加していた元日本代表(2006-2013)MFであり、川崎フロンターレ(2003-2022)一筋で活躍した中村憲剛氏は「プレーをしている姿も含め、ピッチ外のオフの姿などをファンの皆はより見たいだろうし、なのでSNSを活用して普及するのは良い方法だと思う。その場合は、続けていくのが重要だと感じる」と語った。
日本国内でも、女子選手たちがロールモデルとして如何に人々を感化させていけるか。これは女子サッカー普及のためのポイントの1つとなりそうだ。世間の目線が女子サッカー選手へと集まる日を大いに期待したい!
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