明治安田生命J1リーグにて、アビスパ福岡は昇格直後の2021シーズンにクラブ史上最高となる8位を記録した。昨2022シーズンは残留争いに巻き込まれるも14位で着地。
改めてアビスパ福岡にとって、2022シーズンはどのようなシーズンだったのか。そして2023シーズンに向けた準備をどのように進めているのか。開幕まで1か月を切ったこのタイミングで予測してみたい。
2022シーズンの振り返り
昨2022シーズンのアビスパ福岡は、リーグ戦では8位以上、カップ戦(JリーグYBCルヴァン杯、天皇杯)はベスト4位以上を目標に掲げていた。
だが、J1リーグでは開幕節から3試合連続引き分けの勝ちきれないスタートを切ると、7月末にはチーム内に新型コロナウイルスが蔓延。第24節のガンバ大阪戦が延期になり、その後もコンディションの低下が明白となる。6試合未勝利(1分5敗)と残留争いに巻き込まれ、14位での残留が決まったのは最終節だった。
一方で、天皇杯ではベスト8、ルヴァン杯ではベスト4に進出。カップ戦の目標に到達すると共に、サポーターは初タイトルという夢を垣間見れたことも確かだ。
2023シーズンに向けた移籍市場での動き
2022シーズンのJ1リーグで14位となったアビスパ福岡だが、2023シーズンに向けてここまでの動きはあまり活発ではない。左サイドバック(SB)のレギュラーだったDF志知孝明、最終盤で3試合連続得点を挙げたFWフアンマ・デルガド、右サイドハーフ(SH)として4得点4アシストを記録したMFジョルディ・クルークスら、10人がチームを離れた。
一方、新加入は5人。FC東京から右サイドが主戦場のMF紺野和也、2022シーズンJ2東京ヴェルディで13得点を記録したFW佐藤凌我、横浜FCから2015~2017年以来の福岡復帰となるDF亀川諒史などが加わったものの、派手さはない。
おそらく、各メディアでの評価は低いものとなるだろう。しかし筆者は「戦力維持」と「戦力ダウン」2つの捉え方があると考えている。以降2023シーズンに向けた体制を細かく
2023シーズン守備に大きな変化はなし
2020シーズンから続く長谷部茂利監督下のアビスパ福岡。最大の強みは間違いなく「堅守」である。昨シーズンリーグ最少の29得点に留まりながらJ1残留できたのも、リーグ3位タイの38失点に抑えた守備があったからこそだ。
FWまでを含めた全員が高い守備意識を持ち、前線を突破されても前寛之と中村駿がコンビを組むボランチを中心としたMF陣が立ちはだかる。ディフェンシブサードに侵入されたとて、抜群の高さと強さを持つセンターバック(CB)を中心としたDF陣が壁となり、最後は守護神のGK村上昌謙が防ぎきる。幾重にも敷かれた陣形で、ボールを保持されながらもゴールは許さない。
2023シーズンに向けても、この守備に大きな変化はない。ボランチの主力である前と中村。CBの主力である奈良竜樹、宮大樹、ドウグラス・グローリ。守護神の村上。全員がチームに残り、屋台骨は微動だにしていない。唯一、左SBの志知はサンフレッチェ広島に移籍したが、横浜FCのJ1昇格に貢献した亀川を獲得し対応。チーム最大の武器は揺るがないだろう。
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