Jリーグ 京都サンガ

緻密なハードワークでJ1残留。京都はいかに熊本の挑戦を退けたのか【試合分析】

後半25分、京都は[3-4-2-1]に布陣変更

布陣変更で熊本の猛攻凌ぐ

同点ゴールを奪われた直後の後半25分、京都のチョウ・キジェ監督は佐藤響、ピーター・ウタカ、本多勇喜の3人を投入し、布陣を[3-4-2-1](自陣撤退時[5-4-1])に変更。

後半12分に投入された熊本の俊足FWターレスに手を焼き、自陣左サイドを攻略されかけていたものの、5バックに布陣を変えたことで、4バックでは開きやすいセンターバックとサイドバックの間や、ハーフスペース(ペナルティエリアの両脇を含む、左右の内側のレーン)を埋めることに成功。麻田と井上のカバーリングエリアを狭める効果も見られた。

京都サンガ DF白井康介 写真:Getty Images

「(プレスを)はがされる場面もありましたし、逆にうまく(ボールを)刈り取ってチャンスも作れました。すべてのプレスでボールを奪えるとは思っていないし、はがされる場面も想定しながら、そのときはみんなで帰陣することができていました」

京都のDF白井も試合終了後に、自軍の守備のメリハリについて手応えを口にしている(Jリーグ公式サイトより)。かねてより、試合展開に応じて4バックと5バックを使い分けていた京都が、相手のキーマンを封じる緻密なハードワークと、堅固な自陣撤退守備でJ1リーグ残留を手繰り寄せた。

今季のJ1リーグにおける失点数(38)が全18クラブ中2番目に少ない数値と、守備面での健闘が光った京都の来季以降の課題は、敵陣ゴール前でのプレーの質。同じく今季のJ1リーグで、決定機創出数が全18クラブ中4番目に低い49回(データサイト『Sofascore』より)に留まったほか、得点数も同リーグ内で2番目に少ない“30”。来季に向けて、相手の守備隊形を横に広げ、ハーフスペースを突くためのパスワークに磨きをかける必要があるだろう。かろうじてJ1残留を果たした京都の進化に期待したい。

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名前:今﨑新也
趣味:ピッツェリア巡り(ピッツァ・ナポレターナ大好き)
好きなチーム:イタリア代表
2015年に『サッカーキング』主催のフリーペーパー制作企画(短期講座)を受講。2016年10月以降はニュースサイト『theWORLD』での記事執筆、Jリーグの現地取材など、サッカーライターや編集者として実績を積む。少年時代に憧れた選手は、ドラガン・ストイコビッチと中田英寿。

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