明治安田生命J1リーグ・柏レイソルからゴイアスへレンタル移籍中のブラジル人FWペドロ・ハウル(25)が、日本での辛い時期を振り返るとともにネルシーニョ監督との関係を明かした。9日、ブラジルメディア『グローボ』が同選手のコメントを伝えている。
ペドロ・ハウルは昨年3月、当時ブラジル2部のボタフォゴFRから柏レイソルへ完全移籍。柏レイソルでは公式戦11試合に出場していたが、8月下旬開催のJ1リーグ第25節・サガン鳥栖戦を最後に出番がなくなると、およそ1カ月後にリーガMX(メキシコ1部)のフアレスへレンタル移籍していた。
そしてフレアスを今年2月に退団すると柏レイソルで構想外と伝えられる中、ゴイアスへレンタル移籍。今季ブラジル1部リーグでここまで25試合中22試合に先発出場して14ゴールをあげるなど、本来のパフォーマンスを発揮している。
そんなペドロ・ハウルは『グローボ』のインタビューに対応。「ボタフォゴが僕を売ると決めてから日本に行くまで1カ月かかった。その間、僕はリオデジャネイロで個別トレーナーとともにトレーニングをしていたけど、そこでショックは始まった」
「フィジカル面で僕を支えてくれるトレーナーや兄弟、両親も日本に連れて行く予定だったけど、新型コロナウイルス感染拡大によって入国ができなかった」
「日本に着くと15日間ホテルに隔離された。トレーニングが始まると、僕が話しても相手は何も理解できない。すべてが大変だったんだ。今までなかったようなクレイジーな経験だったね」と、柏レイソル加入時の苦悩を明かしている。
また同選手は昨年4月24日の徳島ヴォルティス戦でデビューしてから2試合つづけて途中出場。しかし肩の脱臼で2カ月間にわたり戦線離脱。この離脱中の日々の過ごし方を聞かれると「一日中、誰ともしゃべらなかったね。壁に向かって話していたんだよ」と語っている。
さらに復帰後にはブラジル国内クラブからオファーが届いたとのこと。しかし柏レイソル残留を余儀なくされ、最終的にはネルシーニョ監督の構想から外れたという。
これについてペドロ・ハウルは「『こんな目に遭ってブラジルに復帰できるチャンスがあるのに、どうして復帰させたくないんだ?』。こう監督に話しかけたら嫌がられて、一晩でチームの中で居場所がなくなった」
「精神面の理由もあって、もうここにはいられないと思うようになった。心理学者や精神科医のところへ行かなければならなかったし、日常生活にも支障をきたしていたんだ」と回顧。
その上で「日本での経験のおかげで、人間的に成長できたと思っている。精神面での強さを身につけることができたよ」とコメント。柏レイソルでの苦悩の日々が自身の成長につながったことを強調した。
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