鹿島アントラーズのレネ・ヴァイラー前監督は今月9日、スイス紙『ブリック』の取材で突然の解任劇を振り返った。
スイス人のヴァイラー氏は、過去にスイス1部のグラスホッパーやドイツ1部のニュルンベルク、ベルギー1部の強豪アンデルレヒト、エジプトの強豪アル・アハリなどで指揮。アメリカ・メジャーリーグサッカー(MLS)所属クラブからのオファーを断った上で、昨年12月に鹿島アントラーズの監督に就任していた。
その鹿島アントラーズは今季序盤から順調に勝ち点を積み重ねて、横浜F・マリノスなど複数クラブとのJ1優勝争いを展開していた。その中で7月1日に日本代表FW上田綺世(23)のサークル・ブルッヘ移籍が正式決定。得点源だった同選手の退団後はリーグ戦で2分4敗と苦戦を強いられ、今月6日の第24節・サンフレッチェ広島での敗北により4位に転落すると、クラブ幹部はヴァイラー監督解任を決断していう。
また鹿島アントラーズは公式サイトで「フットボールにおける現状と今後の方向性について協議した結果」と説明しているが、周囲からはより詳しい説明を求める声が上がっている。
そんなヴァイラー氏は『ブリック』のインタビューに対応すると、鹿島アントラーズ監督解任について「突然解任されたのは、自分でも驚きだし、がっかりしている。これまでつねにトップ3につけていたし、(サンフレッチェ広島戦で敗れた後も)2位からわずか2ポイント差の5位だったしね」と回顧。
「Jリーグは面白いし、サッカー以外の人との出会いも感動的だった。だからこそ、もっと違う結末を望んでいたんだ。スイスに帰国したら、まずは日本での経験を振り返り、そこから教訓を導き出すよ」と好意的なコメントも残している。
また『ブリック』は「ヴァイラーは、突然の解任の理由を推測する気もない。鹿島アントラーズ幹部にとって、2度の敗北はあまりにも多すぎたのだ」と、皮肉を交えてクラブ幹部の決断背景を推測。
「経営陣が守備の要(町田浩樹)と得点王(上田綺世)をベルギーのクラブへ売却したことが、彼の仕事をいっそう困難なものにした。結局、彼はジーコがアドバイザーを務めるクラブで日本人の焦りの犠牲になった」と説明している。
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