明治安田生命J2リーグのジェフユナイテッド市原・千葉は2日、「イビチャ・オシム元監督の訃報に接して」と題した声明を発表している。
オシム氏は2003年からおよそ3年半にわたりジェフユナイテッド市原(現ジェフユナイテッド市原・千葉)を指揮。2006年のFIFAワールドカップ・ドイツ大会後からは日本代表監督を務めていたものの、急逝脳梗塞により2007年11月に退任。日本を離れた後も多くの選手や指導者から慕われる存在だったが、今年5月1日に急逝した。
オシム氏の死去をうけて、ジェフユナイテッド市原・千葉は「ジェフユナイテッド市原・千葉で2003年から2006年途中までの約3年半にわたり監督を務めていたイビチャ オシム氏が、5月1日にご自宅のあるオーストリア・グラーツにてご逝去(享年80歳)されました」
「在任中はクラブの発展のために多大なるご尽力をいただきました。ご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申し上げますとともに、心よりご冥福をお祈りいたします」と声明を発表している。
そしてクラブは昨年、30周年記念事業としてオシム氏へ佐藤勇人CUO(クラブユナイテッドオフィサー)がインタビューを行った際にオシム氏からいただいた言葉の一部を紹介。
これによると、オシム氏は「日本のみなさん一人ひとりにあいさつしたいが、日本は人口が多すぎる。よろしくといっているうちに舌が伸びてしまうかもしれない。ジェフはジェフだ。本来はJ1にいるのがふさわしいチームだ。どうしたらそこに戻れるのか、考えなければ。そのためには、チーム経費をできるだけ少なく、チームのクオリティをできるだけ高くしなければならないが、両立は簡単ではない」
「ぼやぼやしていると、給料の高いチームに移りたいと言い出す選手が出てくるかもしれない。残念ながら、サッカー界全体がお金に買われてしまったような状態だ。サッカー界が大地から離れて、ふわふわ浮き上がっている状態なのが心配だ。サッカーで勝つにはお金がかかるようになってきている。しかし大半のチームにはそんなに資金はない」
「よいアイデアを実行するにも先立つものが必要だ。しかし、そこで大切なことは、どんなポストについていても、明日の世界がどうなるのかを常に考えて、そなえることだ。 過去のことは過去にすぎない。くよくよしても仕方がない。しかし、明日のことを考える時に、過去の失敗の例を振り返ることは役に立つことがある。とくにサッカーのレベルアップをめざす時にはそうだ」
「サッカーには金がかかるようになった。日本のサッカー界も同じだ。そう感じるだろう。この前のオリンピックも、そのための国際会議も、莫大なお金が使われた。 使ったお金は返さなければならない。そのためには稼がなければ。大事なのはアイデアをだすことだ。頭を使うことだ」
「さまざまなアイデアを出すことが革新につながる。もちろん全部のアイデアが採用されるわけではないが、未来を予測して、それに見合ったアイデアを出すことが大切だ。 一歩一歩、進んでいくしかない」と語っていたとのこと。
これに対して佐藤勇人CUOが「ブラボーと言ってください」と言葉をかけると、オシム氏は「ブラボー。ありがとう。いい仕事をするためには、誰かいい相棒を見つける必要がある。何人かでアイデアを出し合えば、ひとりよりももっといいアイデアが出てくる」
「勇人と話せてよかったよ。元気そうでよかった。もし監督が必要ならここにいるぞ。選手がほしいならいってくれ。みんなによろしく! じゃあまた、チャオ!バイバイ!」とコメントを残したという。
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