明治安田生命J2リーグ第8節・モンテディオ山形対ファジアーノ岡山は、担当審判が競技規則適用ミスにより試合結果に影響を及ぼしたとして再試合を行うことが正式決定した。これに対して、ファジアーノ岡山所属のオーストラリア代表FWミッチェル・デューク(31)やステファン・ムーク(26)がSNSで驚きの声を上げている。
この試合では前半11分にモンテディオ山形DF半田陸(20)からGK後藤雅明(27)のバックパスがゴール方向に転がり、後藤雅明が慌ててボールを手でかき出している。ゴールキーパーが味方のパスを手で触った場合には相手チームに間接フリーキックが与えられるだけであり、ゴールキーパーに対してカードが提示されないという規則になっているが、担当主審は後藤雅明に対してレッドカードを提示。ファジアーノ岡山がおよそ80分間にわたって数的優位に立ち、試合終了間際に決勝ゴールをあげて勝利していた。
しかし、Jリーグは後藤雅明に対するレッドカード提示やモンテディオ山形の数的不利による試合結果への影響について議論を重ねた結果、再試合開催を決断。Jリーグ史上初となる競技規則の適用ミスによる再試合をうけて、Jリーグファンの間では様々な意見が飛び交っている。
その中、デュークは再試合開催決定直後に海外メディアのニュース記事を引用リツイートした上で「言葉がない」と投稿。また、ムークはモンテディオ山形戦でプレーしている自身の姿をインスタグラムのストーリー機能にアップした上で「冗談かよ! また試合やらないといけないのか」とコメントを残している。
なお、株式会社ファジアーノ岡山スポーツクラブの北川真也代表取締役会長は5日に声明を発表。「本日のJリーグ理事会において、J2リーグ第8節モンテディオ山形ーファジアーノ岡山が、再試合となることが決定されました」
「90分間死力を尽くして戦った選手、監督、コーチングスタッフ、そして遠く山形まで駆けつけ応援してくださったファン、サポーターの皆さま、DAZNを通して応援くださった皆さまとともに勝ち取った勝利は誇りであり、それが覆されることに直ちに気持ちを整理することが難しいのが正直なところです」
「しかしながら、日本サッカー協会(JFA)の審判委員会での議論、JFAを通した国際サッカー評議会(IFAB)への確認、Jリーグの実行委員会の議論を経て、理事会で決定されたことであり、クラブとしてはその決定を尊重し、前に進みたいと考えています」
「今回、試合成立の判断だったとしたら、モンテディオ山形に関わる皆さまに納得しがたい気持ちが残るでしょうし、もしかしたら再試合という今回の決定に対しても、手放しには喜びがたい難しさを感じられているかもしれません」
「今回の最も大きな問題は、競技規則の適用ミスが起きた場合の試合の取り扱いについて、明確なルール整備ができていなかった点にあります。この点については、ファジアーノ岡山も当事者としてルール作りに適切に関わり、二度と同じ思いをするクラブが出ることがないよう対応してまいりたいと考えています」
「また、今回の一連の事態を受けて、SNS等の一部においてリスペクトに欠ける発言が見られますが、こういった不当な非難はどういった状況においても許されることではありません。建設的な議論によって、皆さまとともにJリーグの未来を創っていきたいと考えております」
「この悔しさを知っているのは私たちだけです。再試合が決まった限りは、この悔しさも糧にしてファン・サポーターの皆さまとともにクラブ一丸となって、再び勝利を勝ち取りましょう!」とサポーターやスポンサー等にメッセージを送っている。
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