モロッコ代表のバヒド・ハリルホジッチ監督が2018年のFIFAワールドカップ・ロシア大会開催直前に日本代表監督を解任となった時の出来事を振り返った。3月31日、クロアチアメディア『Sportske Novosti』が伝えている。
ハリルホジッチはコートジボワール代表を南アフリカW杯出場に導くと、2014年のブラジルW杯ではアルジェリア代表を率いてベスト16入り。優勝国ドイツ代表に善戦したことで周囲からの評価を高めると、2015年3月に日本代表監督に就任していた。
そして日本代表指揮時にもロシアW杯本大会出場権をもたらしていたが、本大会開幕2カ月前の2018年4月に解任。日本サッカー協会(JFA)の田嶋幸三会長は直前の欧州遠征で結果を残せなかったことが解任の決め手になったと説明しているが、指揮官と一部選手との間に確執があったと噂されている。
そんなハリルホジッチは2019年8月にモロッコ代表監督に就任すると、カタールW杯アフリカ2次予選でスーダン、ギニアビサウ、ギニアを相手に6戦全勝。ホームアンドアウェイ方式の最終予選でコンゴ民主共和国代表相手に1勝1分として、W杯本大会出場を決めている。
その中、『Sportske Novosti』は日本代表指揮時の出来事を振り返るハリルホジッチ氏のコメントを紹介。同氏は「(代表監督の去就について)政治が決めることもあれば、ビジネスが決めることもある。その時、結果は重要ではない。例えば、日本ではビジネスが物事を決めたんだ」
「そこでは大物選手たちと契約しているスポンサーが、私が(彼らを)ワールドカップに連れて行かないかもしれないと聞いていたのだ。それにそのスポンサーは日本サッカー協会に出資していた。日本では、お金を出す人が物事を決めるんだ。だから、私が一部の選手を(ロシアW杯に)連れて行かないかもしれないという話を聞いて、私をクビにした」と日本代表監督解任に至るまでの過程に自身のメンバー選考とスポンサーの思惑が対立していたことを明かしている。
なお、日本代表はハリルホジッチ監督解任後、西野朗体制のもとでロシアW杯本大会に臨み、ベスト16入りを果たしていた。今もなおハリルホジッチの手腕を高く評価するサッカーファンは、当時のJFAの決断に対して疑問を抱き続けていることだろう。
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