国際サッカー連盟(FIFA)は7日、元FC東京の日本代表MF橋本拳人(28)をはじめロシア国内でプレーする外国籍選手に対して今月10日より無条件での現行契約破棄、フリーでの他クラブ移籍を認める措置を講じたと公式発表した。その中、ロシア国内からは外国籍選手の流出を前向きに捉える声が上がっているようだ。
ロシアは先月24日にウクライナに対する軍事侵攻を開始。ウクライナの軍事施設や空港のみならず、民間施設に対してもミサイル攻撃を行っており、日本や欧米諸国から経済制裁を科されている。この事態を受けて国際プロサッカー選手会(FIFPro)は国際サッカー連盟(FIFA)に対してロシア国内クラブ所属の外国人選手に対してシーズン途中での契約解除を無条件に認めることを要求。するとFIFAは今年6月まで一時的に他クラブでプレーできるような救済措置を講じている。
また、ロシア・プレミアリーグ(ロシア1部)のFCロストフには橋本拳人が在籍。同選手はウクライナ侵攻開始直後にインスタグラムを通じて無事を報告しているものの、「正直この先何が起きるか少し怖い」と不安を綴っていた。
その中ロシアメディア『Sportbox』は今月4日、「我が国のリーグから外国人選手が流出することは、サッカーのクオリティに大きな影響を与える」とすでに複数クラブで外国人選手退団が相次いでいる現状を報道。そしてロシアサッカー界の今後について「外国人選手のいないロシアサッカーはエンターテイメントとサッカーのクオリティで(他国に)劣るが、ここ数十年で最も暖かみのあるランプのようなものになるはずだ」
「まだ外国人選手が珍しく、ほとんどのクラブの主役がロシア人選手だった90年代半ばに戻ったようだ。そして、その頃は多くの人々がサッカーに恋をしていた。今足りないのはそのような切実な感情である」と見解を示すとともに、FIFAや国際社会からの制裁に対して強気の姿勢を見せている。
なお、ロシア・プレミアリーグは国がウクライナと交戦中にもかかわらず、冬季中断期間が明けた先月末に再開。橋本拳人所属のロストフも1試合が延期となったものの、今月7日の第20節・PFCソチ戦は予定通りロストフ・アリーナで行われている。
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