Jリーグ 川崎フロンターレ

川崎ダミアン「他人に共感しないと」G大阪・石川慧を慰めた時の心境告白「世界では戦争や…」

レアンドロ・ダミアン 写真:Getty Images

 川崎フロンターレに所属する元ブラジル代表FWレアンドロ・ダミアン(32)が、明治安田生命J1リーグ第3節・ガンバ大阪戦で相手GK石川慧(29)を慰めた理由や自身の思いを明かした。6日、ブラジルメディア『グローボ』が伝えている。

 川崎フロンターレは前半から劣勢に立たされると、75分にFW宮城天(20)のゴールで追いついた直後に勝ち越しゴールを献上。試合は1-2で終わるかと思われた。しかし、後半アディショナルタイムの90+5分、GK石川慧がゆっくりとプレーを再開しようとペナルティエリア付近にボールを置いたところを背後からFW小林悠(34)がすかさず奪取。こぼれ球をダミアンがゴールマウスに流し込み、同点に追いついて試合を終えている。

 そんなダミアンはゴールネットを揺らした直後、川崎フロンターレサポーターの陣取るゴール裏で控え気味にゴールパフォーマンスを披露。そしてピッチ上でひざまずく石川慧のもとに駆け寄り慰め、抱き起すという紳士的な振る舞いを見せている。

 同選手はブラジルメディアのインタビューに応じた際、石川慧のもとに駆け寄った時の心境を聞かれると「ゴールキーパーが悲しんでいるのを見たのに、彼のところに誰も駆け寄らなかった光景を見たんだ。あのようなミスを犯すのは簡単なことではないよ」

 「僕たちはもっと他人に共感しないといけないね。彼が感じている痛みを感じるんだ。今日は彼だったけど、明日は僕がその痛みを感じるかもしれないし、他の選手が感じるかもしれないんだから、それを減らそうとするんだ」と語っている。

 そして「今、世界では戦争やスタジアムでの暴力の他にもネガティブなことがたくさん起きている。僕たちは試合を見ている子供たちに良いことを伝えていかないといけないね。悪いことがたくさん起こっている時、子どもたちをこういう場所に連れて行きたいと思うのは難しい。ゴールキーパーを持ち上げたのは、共感を示すジェスチャーだったのさ」とコメント。ロシアによるウクライナ侵攻をはじめ世界中で暗い出来事が起きている中、他人に寄り添うことの重要性を説いた。

 なお、このダミアンの振る舞いはスペイン紙『マルカ』やイタリアメディア『トゥットメルカート』、アルゼンチン紙『Ole』など海外メディアにも相次いで取り上げられるなど、世界中で注目を集めている。